2019年12月12日(木)、金時山へ行ってきました。
金時山は登山初心者におすすめの山として良く紹介されている山です。登山口へのアクセスが良く山頂までのコースタイムも短く楽に登れそう。そして一度見たら忘れられない大きな看板付きの富士山写真。富士見スポットを巡るのであれば外せない場所ではないでしょうか。
前回愛鷹山の黒岳~越前岳に登って残念ながら富士山が見えず。同じ所にもう一度行くのも気が進まなかったので、比較的近い方角からの眺めということでここに決めました。早朝の小田急線→御殿場線の乗り継ぎが案外良かったのでこの周辺の山に興味が出てきたということもあります。
ちなみに標高1212mで12月12日に訪れたのは全くの偶然です(純粋に天気を見て決めました)。
現地へのアクセス
金時山の登山口へは新宿から直通の高速バスがあるようです。
朝一番の便は6:35バスタ新宿発、8:35乙女峠着(1880円)~8:40金時登山口着(1940円)。結構安いです。それに30分間隔って凄くないですか? さすが人気の観光地です。
ただ、私の場合立川方面からなので新宿まで出るのに費用(480円)も時間(バスタ新宿での乗り換えを考えると1時間程度)もかかります。南武線、小田急線、御殿場線と乗り継いで御殿場駅まで行き、そこから路線バスに乗った方が早くて安いようです。
- 立川 04:47 → 05:14 登戸 (JR南武線 308円)
- 登戸 05:30 → 06:38 新松田 (小田急線 639円)
- 新松田 06:39 → 06:40 松田 (徒歩)
- 松田 06:50 → 07:23 御殿場 (JR御殿場線 510円)
- 御殿場 07:33 → 07:49 乙女峠 (箱根登山バス 550円)
(計 3時間2分 2007円)
登戸から乗る小田急線の新松田行きは新宿始発なので、新宿方面から行きたい人も早い時間に到着したいなら高速バスより電車の方が良いでしょう。
本日のルート
乙女峠バス停へ
12月12日、立川→登戸→新松田…松田→御殿場と乗り継いで御殿場駅へ。
途中松田駅ホームから見えた富士山。ちょうど朝日が昇って赤くなるタイミングでした。
07:25御殿場駅着。
御殿場駅の改札を出て右。箱根乙女口に降ります。
バス停は左手一番奥にある1番乗り場。スマホで検索した乗り換え案内では天悠行きとあるのですが止まっているのは宮城野営業所前行き。天悠行きなんてものは影も形もありません。宮城野営業所ってどこ……? 運転手さんいないし……。
と、しばらくウロウロしていたら運転手さんが戻ってきたので乙女峠に行きたいと聞いてみるとこのバスで行けるとのこと。なので安心して乗車しました。前乗り前降りSuica対応。
07:33 御殿場駅箱根乙女口バス停発。
御殿場インター等を経由してバスは山の中へ。つづら折りの道を上りながら乙女峠へ向かいました。
乙女峠バス停→乙女峠
07:50 乙女峠バス停着。
こんなところに下ろされましても……。登山口はどっちかな?
地図を見ると、トンネル方向(バスが去って行った方向)の左手側から登っていくようです。
07:51 乙女峠バス停発。
歩いて行くとすぐに標識。右の方に「乙女展望台 乙女の鐘」という看板がありますが、そちらではありません。
鎖で塞がれていますがこれは車を止めるためのものでしょう。
地図だとこの右から上に登れるように見えますが実際には道が見当たりません。
標識に従って左の方へ進んでいくと、この先看板右折と書いてあります。
標識。右の方に狭いですが登山道があります。
07:57 乙女・金時登山口通過。
少し登ると右の方に立ち入り禁止の看板が。入口から右に登るルートは何らかの理由で塞がれているみたいですね。
すぐ近くにある標識。乙女峠まで25分、金時山まで75分。
所々岩がごろごろしている場所もありますが全体的には特に歩きづらいこともない普通の登山道です。そこそこちゃんと整備されていて人気の高さを窺わせます。
コンスタントにダラダラと登りが続いていきます。運動不足の体にはこんなのでも十分堪えます。ハアハアいいながら所々立ち止まって写真をパシャパシャ撮りながら登っていきます。
山側斜面注意の看板。落石でもあるのでしょうか?
08:09 あっという間に中間点の標識。これは思っていた以上に短い?
08:23 乙女峠着。
下の標識からぴったり25分。バス停からは32分でした。ヤマケイのコースタイムが40分なのでここの標識は少し厳しめな気がしますね。
乙女峠
乙女峠 標高1105m。
そこにあるのは乙女峠と書いている大きな看板、展望台、それから撮影用の台でしょうか?
ちょっと霞んでいますが今日はしっかり富士山が見えます。街並みも良く見渡せます。富士山の方向がほぼ御殿場駅の方向のはず。
「乙女」で切り取ってみた写真。
何となく奇をてらってみたもののいまいちな写真。
展望台の手前の台(おそらく撮影台)に上って撮った写真。記念撮影に使えるかも?
隣に落書きのある廃屋が。乙女茶屋というお店だったらしいのですが……。
乙女峠→金時山
08:29 乙女峠発。
金時山まで50分の標識。
出発してすぐの所に休憩所(ベンチとテーブル)があります。
見晴らしは良さそうですがガスと逆行でよく見えませんでした。
それを過ぎると長い上り坂が続きます。
案外急です。
一瞬なだらかになったと思いきやまた登り坂に。
08:44 長尾山通過。
長尾山を過ぎるとしばらくはなだらかな道が続きます。らくちーん!
尾根沿いの道を進みます。
左手の林が薄くなって左を向けば富士山が見えるようになってきました。
と、ここで下り坂。
ずんずん下っていきます。
林の向こうに小高い山が二つ。
おそらくあそこまで行くんでしょうね……。こうしてみると結構遠い。
それでもどんどん下ります。
道の左右は草木に覆われていますがかなり急峻な崖になっています。十分な道幅があるので一人で歩いている分には全く落ちる気はしませんが、多人数できてよそ見したりふざけたりしていると危ないかもしれません。
ハイカーのみなさんへ
金時山は、昔は猪鼻嶽と呼ばれた急峻で岩場の多い山です。特に頂上付近の尾根筋では、コースの両側が切り立った深いガケで、大変危険です。 コースをはずれたり、走ったり、ふざけたりは絶対にしないでください。
箱根町
09:18 金時山着。
長尾山から34分、乙女峠から49分。すごい、ほぼ標識通りだ! ヤマケイのコースタイムだと40分、60分なのでやっぱり標識は少し厳しめかも?
金時山
ちゃんと富士山が見えました!!
金時山といえばこの看板でしょう。「天下の秀峰 金時山 標高1212m 静岡県小山町」と書かれています。標高の所に何かを貼った跡があるのは、2014年に標高が1213mから改定されたからだと思います。
展望盤。
金太郎的な山頂標識。こちらは神奈川県箱根町のものみたいです。
石の祠。
公衆トイレはチップ制(100円)。
山頂に立つ茶屋は二軒あります。金太郎茶屋と金時茶屋。
比較的新しくて既にお客さんが入っていたのが金太郎茶屋。
一方金時茶屋は薄暗くて営業しているかよく分かりませんでした。事前の情報によるとこの金時茶屋には名物のなめこ汁があるのだとか。
迷ってウロウロしていると南の方から灰色の雲が流れてきて富士山が見えなくなったりまた現れたり。
急に風も強くなり辺りは霧に包まれ一気に寒くなってきました。
意を決して金時茶屋に入ってみるとストーブのそばに座っている年老いた女性が一人。
声をかけると、どこからきなすった? 東京から? ようきなすった。そこに座って休んでいきなさい、と。
営業しているのか聞くと調理師が来ないとできないとのことでした。昔は自分でやっていたが今は他の人に任せているとのこと。
この女性、名を金時娘といいもう70年以上もこの茶屋の看板娘をやっているのだとか。しかし最近は大腿骨を骨折して歩けず下でリハビリをしていたのですが、明日のお祭りのために昨日ここに上がってきたのだとか。
名物のなめこ汁があると聞いてきたと言うと、味噌汁くらいならと言って立ち上がって足を引きずりながらゆっくり厨房に移動を始めてしまうではありませんか!
びっくりしながらオロオロしてると、まぁ、座って少し待ってて、と。
……と、まぁ、そんな調子でしばらくして出てきたのがこちら。
丼一杯に入ったなめこのみそ汁(500円)。
うはぁ……温まる……。
外は強い風が吹いていて時々隙間風を感じて寒かったので大変ありがたい。
結構ボリュームがあるので時間をかけていただきました。
明日は毎年開催されている山祭りの日(改定前の標高1213mにちなんで12月13日)で山男山女が集まって餅つきをするのだとか。
うーん、これは明日来れば良かったかな。
食べ終わってしばらくすると天気も回復し再び青空が見えるようになってきました。
上で片付けしてくるからもう少し休んでいきなさいとのことでしたが、私もそろそろ予定の時間だったので御礼を言って茶屋を後にしました。
金時娘は元気になったと伝えてくれとのことでした。
外に出ると富士山の左側に相変わらず灰色の雲が。この後も曇ったり晴れたりしていたようでした。
茶屋の近くにあった施設。運搬用のリフトがあると言っていたのでたぶんこれのことでしょう。
金時山→仙石バス停
10:19 金時山発。仙石原へ向かいます。
仙石原まで55分との標識。
結構急な下りが続きます。
今回一番降りづらかった段差。後ろ向きになって降りました。
続々と登山客の一団が登ってきたので景色を見ながらやり過ごしました。この辺りで何組かとすれ違いましたが、その後はほとんど誰とも会いませんでした。バスの到着時間によるものでしょうか。
芦ノ湖方面はずっと曇り空でした。
10:40分岐通過。右に行くと金時神社、まっすぐ行くと矢倉沢峠を経由して仙石原へ(40分)。
女性の二人組が金時山まで20分は無理でしょう下りならば行ける? と話してました。実際私は下りで20分かかってますね……。
ずーっと一貫して下りです。登りは無かったと思います。ということは逆から登るとずーっと登りなんですね。それはそれで効率が良さそう。
狭い尾根道。でもちゃんと歩きやすいのが良いですね。もちろん左右は急な崖です。
遠くに綺麗な一本の道が見えます。ああいう道を歩きたいですよね。
地図を見るとこの先の矢倉沢峠で分岐して明神ヶ岳の方へ続いている様子。ついつい寄りたくなってしまいますが、向こう側に降りるまでには案外距離があるみたいだったので我慢しました。
10:58 矢倉沢峠うぐいす茶屋跡通過。
10:59 矢倉沢峠の分岐。仙石原まで30分。前の標識から約20分なのでほぼ標識通りでしょうか。
背の高い木が多くなってきました。
側溝のある階段を下って突き当たりを右に曲がるとすぐに登山口に着きました。
11:14 金時山登山口(矢倉沢口)通過。
ここからはバス停へ向かいます。
標識に従って進んでいくと金時登山口バス停に着きます。
11:22 金時登山口バス停着。金時山から1時間3分でした。
時刻表は張り紙が貼ってあってよく分かりません。
検索してみると新宿への高速バスに乗って帰るのが一番分かりやすそうでしたが、何となく今日は箱根湯本の方へ下りてそこから電車で帰るつもりでした。
とりあえず仙石バス停まで行った方が選択肢が広がるようなのでそちらに向かいました。
近くにトイレがあったので寄ってから11:27出発。
仙石バス停は金時登山口バス停から東へ数分行ったところにあるのですが、バス乗り場が分散していて分かりにくいです。
11:33 仙石バス停4番乗り場着。
仙石バス停→箱根湯本駅
NAVITIMEで自宅へのルートを検索すると台風19号の影響で運休している箱根登山鉄道を勧めてくる始末。
箱根登山バスのサイトにあるのりかえ案内を使って検索すると、仙石バス停から箱根湯本駅行きに乗れと出てきます。しかし仙石バス停4番乗り場には桃源台線 箱根湯本駅行きという表示はあっても時刻表には影も形もありません。
11:44 宮城野営業所前行きというバスが来たので運転手に尋ねてみると、このバスに乗って終点で乗り換えろとのこと。いや、だから宮城野営業所ってどこ……。
とりあえず言うとおりに乗って 11:45 仙石バス停発。
バスはアップダウンの激しい道をぐねぐね曲がりながら進んでいきます。途中硫化水素臭の漂う場所もあってかなり気持ち悪くなってしまいました。
12:12 宮城野営業所前着。
宮城野営業所(みやぎのえいぎょうしょ)は強羅駅から少し下ったところにありました。
12:35 宮城野営業所前発。
乗ったのは箱根湯本駅経由の小田原駅行きでした。小田原まで行ってそこで乗り換えても良かったのですが、箱根湯本駅に着いた時点で少し気分が悪かったので下りて電車で帰ることに。
12:51 箱根湯本駅着。
小田原を経由して小田急線快速電車で帰宅しました。
感想
今回はちゃんと見られました富士山。少し霞んでいましたが前回よりは断然良いです。
金時山といえばこの看板と富士山の写真がインパクト強すぎて他の構図にできないかなと考えたのですが、結局表紙はこの写真にしました。
コースは距離が短いものの山登りの要素が色々と含まれていてそれでいてこの景色とアクセスの良さですから人気があるのもうなずけます。
今回は乙女峠バス停から登って金時登山口バス停へ降りましたが、後半富士山が見られなくなってしまうのは少し寂しい気がしました。金時山~乙女峠の区間は最後のバス停も含めてよく富士山が見えるので、富士山目当てであれば乙女峠を後半に持ってきた方が後味が良さそうです。もちろん最後まで天気が持てばの話ですが。
逆に金時登山口・仙石原へ降りるなら周辺で観光を含めたくなりますよね。今回は台風の影響で交通がよく分からないことになっていましたし、バス酔いで気持ち悪くなったり体調が良くなかったのでさっさと帰りました。
この冬は体力維持・増進のため1~2週間に1回のペースでどこかに行こうと思っているのですが、正直そのくらいでは効果が無いような気がします。やはり毎日トレーニングをしないとダメでしょうか……。
昨日、このコースを歩き記録を作成していたところ、こんな詳細な記録に巡り会い、各箇所の思い出が蘇りました。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。詳細さだけが取り柄でしてw
いつもこれから行く人には詳しすぎるかな(ネタバレ感)と思っていたのですが、行った方の思い出を刺激できたようでよかったです。
小生70代に突入。50越してから夏山一本小屋泊で高山を何回か楽しんできて、今年は甲斐駒(黒戸尾根)を計画。が、体力への自信減退にて断念。そこで手ごろな山へと金時を準備。そこで巡り合った貴君のブログ。安心して登れそうです。感謝。見ると日々山にありという様子。他の山行録も老いの山行の背中を押してくれそう。ブックマークしました。富士初冠雪。山は彩りと共に危険も増す候。釈迦に説法と思いつつ、お気をつけて頂へ。