2019年11月29日(金)、静岡県の愛鷹山、黒岳~越前岳に登ってきました。
前回行った三ツ峠山は富士山をすぐ北側から眺めることができるビューポイントでした。しかしこの季節は昼頃に逆光気味になってしまうのが玉に瑕。となれば南側から見れば良いのではなかろうか、ということで調べたところ富士山のすぐ南にあったのが愛鷹山(あしたかやま)の越前岳。富士山からの距離も近く迫力のある景色が期待出来そう。また宝永火口の正面に位置しているため、これまでとはひと味違う富士山が拝めそうです。
天候判断
![11月29日09時の天気図([[http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/wxchart/quickdaily.html?show=20191129][気象庁より]])](https://yamakoro.jp/blog/wp-content/uploads/2019/12/20191129_0900_tenki-400x387.png)
11月28日(木)は冷たい雨が降り、翌29日(金)~30日(土)は天気が回復して晴れる予報。
予想天気図を見ると29日(金)よりも30日(土)の方がより高気圧が近づき天気が良さそうでした。しかし29日でも予報は晴れですし等圧線の間隔も広く悪くなさそうな天気。土曜日よりは平日の金曜日に行きたい身としては29日を選びました。
前日28日の雨は富士山周辺では雪となり、富士五湖周辺や愛鷹山では初雪となったようです。
今日のルート
愛鷹登山口バス停へ
11月29日(金) 朝一番の列車で立川→(南武線)→登戸→(小田急線)→新松田…(徒歩)…松田→(御殿場線)→御殿場と移動。
途中06:41松田駅ホームからの眺め。綺麗な富士山が見えます。これは期待!

07:24 御殿場駅着。富士山口へ。
駅にもコンビニ(ベルマートキヨスク御殿場)が入っていましたが大きめの水が売ってなかったので近くのセブンイレブンへ。水とおにぎり、パンを購入。

駅に戻ってバス乗り場へ。
愛鷹登山口へ行くには4番乗り場でぐりんぱ・イエティ行き(系統J2)、または、十里木行き(系統J1)に乗ります。この日最初の便は08:00発のぐりんぱ・イエティ行き(J2)でした。(2019年11月現在)
十里木行き(J1)に乗って十里木バス停まで行き最初に越前岳から登ることも出来ますが、富士山を見る方向や苦手な下りの短さを考慮して愛鷹登山口から登ることにしました。

バス停から見える山。方角的に愛鷹山のはず。薄ら雪がかぶってますね。

07:58バスに乗車。後ろ乗り前降りSuica対応。08:00御殿場駅発。

バス車内から見える富士山。う、左手側(南側)に雲がかかってます。

愛鷹山が見えてきました。薄い雪化粧。

08:28 愛鷹登山口バス停着。御殿場駅から30分弱、660円でした。

愛鷹登山口→山神社
山神社
山神社→あしたか山荘→富士見峠
08:46山神社入口発。

1分ほど歩くとすぐに祠が見えてきます。その脇を通ってさらに奥へ。


所々道が分かりづらい場所もありますがリボンやロープで道を示してあります。








このコース唯一のハシゴ。



何やら建物が見えてきました。

「男.小キジ専用」と書かれています。


09:14 「山荘兼避難小屋 無人・無料」と書かれた小屋に到着しました。

愛鷹山荘というらしいのですが詳しいことはよく分かりません。
登山口バス停50分、山神社駐車場25分、越前岳90分、黒岳15分と書かれています。黒岳15分は速すぎません??

この辺りから雪が積もっていました。



09:18富士見峠着。山神社入口から32分(コースタイム45分)でした。あっという間ですね。

富士見峠→黒岳
暑いので上着を脱いで水を飲んで休憩。09:22富士見峠発。


すぐに急な登りが始まりました。
ふひー、疲れた。

急な登りが終わるとすぐに黒岳展望広場が現れます。

09:34 黒岳展望広場着。

この雲の先に富士山があるはずなのですが……。

黒岳の山頂はここから少し奥へ行ったところにあります。それほどアップダウンはありません。

すぐ近くに「黒岳の自然杉」と書かれた柱が立っています。山神社駐車場に書いてあったやつですね。植林とは違う立派な杉が立っています。
1分ほど進んでから分岐(?)を右へ。

ふかふかの落ち葉の上に薄ら雪が積もっています。

山頂は広く少し道が分かりづらいのでピンクのリボンを参考にして進みます。



09:40黒岳山頂着。富士見峠から18分(コースタイム30分)でした。

黒岳(1086.5m)
黒岳→富士見峠
富士見峠→鋸岳展望台→富士見台
10:13富士見峠発。越前岳の方向へ進みます。標識には越前岳まで2.5km 110分と書かれています。



この辺りは道がはっきりしていなくて戸惑いました。広い尾根で林を縫うようにあちこち踏み跡がありリボンも時々しかありません。

左右どちらに行くか迷って歩きやすそうな右の道を進んでみたものの、地図で見ると正しいのは左の尾根上な気がしたり。
でもそのまま歩いて行くと向こうから人が来てすれ違い。さらに歩いて行くと道が無くなって少し戻ったら左上に登る溝は階段だったことが分かりリボンもあって登ってみたら合流点らしきものがあったり、と……。

ここで地図上の登山道と合流。

さらに進んでいくと道は狭くなりその分はっきりしてきますが、それでも時々平行して別の道があるように見えることも。土が削られていたり藪に覆われていたりして歩きづらい場所に多いので迂回路なのかもしれません。

土がむき出しでぬかるんで滑りやすい道。

雪が積もった笹をかき分けて進むような所も。

何か標識が見えてきました。

10:38鋸岳展望台着。富士見峠から25分でした(コースタイム45分)。

最初ここが鋸岳なのかと思いましたが、地図を見ると鋸岳は別の場所にあるので鋸岳が見える展望台という意味なのだと思います。どれが鋸岳でしょうか。ノコギリというくらいですからあのギザギザの所?

10:41鋸岳展望台発。登りがずっと続きます。

白く雪が積もった木々が綺麗です。



辺りは大分雪が多くなってきましたが登山道上はほとんど雪が無く歩くのに支障はありませんでした。



突然現れた「危険&注意」の看板。

その奥に張られたロープの先は断崖絶壁。

そこから見える景色は先ほどの鋸岳展望台と似たような感じでしょうか。

登山道からは十分離れているので視界があればうっかり落ちるということはないと思いますが……。

なおもズンズン登ります。

久しぶりの標識。

まだ新しい足跡。

再び「危険&注意」看板とロープ。ここも道を外れると危険という意味ですね。

大分雪深くなってきましたが登山道上はそれほど積もっていません。不思議。

腰くらいまである段差を乗り越えるところも。

突然木々の先に広いスペースが現れました。

11:19富士見台着。鋸岳展望台から38分(コースタイム45分)でした。
富士見台

この富士見台は、五十銭紙幣の元になった写真を写真家の岡田紅陽が撮った場所らしいです。まぁ、五十銭紙幣なんて見たことありませんけれど。

以前本栖湖に行ったときに千円札の元になった写真を撮った場所に行きましたが、それも岡田紅陽でしたね。
三ツ峠も前回行きましたし次は天子ヶ岳かな?
さて、ではその素晴らしい眺めを……

……看板の上には雪が4~5cmくらい積もっていました。

……ベンチも無いところで20分近くも滞在したのですが全く晴れる様子は無く。

諦めて出発することにしました。寒いし座りたいし。

富士見台→越前岳
越前岳
最初に出迎えてくれたのは小さなお地蔵さんでした。



富士山側の空は真っ黒。

ベンチは一部雪が掻いてありました。テーブルの上の雪が溶けて雫がポタポタと音を立てていました。

三角点(1504.2m)。


時刻はちょうど12時。セブンイレブンで買ったおにぎりで昼食。


すると南側が少しずつ晴れてきました。








……富士山は見られませんでしたがこれはこれでありかな。

登ってきた人と話しましたが11月に愛鷹山で雪が降るのは珍しいとのこと。いつもは1月~2月くらい、年に数回あるかどうかくらいだとか。今年はなかなか寒くならなかったのでむしろ遅いくらいなのかなと思っていたので意外でした。そもそも静岡県はあまり雪が降らないみたいですね。
というわけで、その珍しい機会を写真に収められたということで良しとしましょう。
越前岳→十里木駐車場
バスの時間まで余裕があるのでゆっくり1時間くらい滞在してしまいました。
予定より少し早いですが12:57越前岳発。

道はいくつにも分岐していて微妙に分かりづらいです。基本的には尾根を真っ直ぐ下りていくだけなので迷わないとは思いますが。根が張っていたり浸食で歩きづらくなっているとそれを避けるように別の踏み跡が出来て、それが繰り返されてこうなったのかもしれません。

相変わらず雪の積もった木々が綺麗。

さながら雪のトンネルです。

男女の二人組が大きな荷物を担いで先行していましたが慎重に段差の少ないところを選んで行ったり来たりしながら下りてました。

唐突に分岐。西の方に下りて行けるみたいですが私はまっすぐ十里木の方へ。



雪のトンネルの中に日が差すとこれがまた綺麗です。


左の方にぽっかり穴が開いたところがあったので近づいてみました。

富士山の裾野が広がっています。白い木々との対比が美しい。

富士山の方向も見えましたが、相変わらず雲に覆われています。うーん、残念……。午後には晴れるかなと期待したんですけどね……。


本来なら戻ってから元の道を真っ直ぐ進むべきだったのですが、下の方に林の中に戻れる道が見え、そこへ足跡が続いていたので少し斜面を歩いてしまいました。雪や地面が柔らかく転びそうになっても踏みとどまれましたし、下は傾斜が緩やかになっていて断崖絶壁などではありませんでしたが、こういうところで条件が悪いと滑落するのかと怖くなりました。



ぬかるんでいるところが多く滑って転びそうになることもしばしば。枝に掴まってなんとか踏みとどまることもありました。


13:34 平坦地と書かれた地点を通過。


十里木高原駐車場まで65分との表示。

あれ、となると駐車場に着くのは14:40くらいでバス停はさらにその先。予定では14:20くらいにバス停に着くはず。早めに山頂を出発したのにおかしい。ひょっとして遅れてる?

道も歩きやすくなってきたのでペースアップ。


大分傾斜は緩やかになりましたしそろそろ馬の背に着いても良さそうなのですが……。

時々段差が大きいところが現れますが仕方なし。

富士山……見えない……(未練たらたら)。

ん? 道の先に何かがいます。

鹿でしょうか。

立ち止まってカメラを向けている間はじっとこちらを見ていました。撮り終わって一歩踏み出すと瞬時にぴょんぴょんっと右奥へ逃げ去ってしまいました。

富士山を見ながら下れたら最高でしたのに……。



14:01馬の背見晴台着。越前岳から1時間4分。コースタイム25分! えー、これを25分で下りられるの?? ほんとにー?? (追記:標識には越前岳まで100分と書いてますが、手元の地図だと45分と書いてあります。さすがにこれは私が参照している地図の間違いではないでしょうか)

富士山も相変わらずです。

三角点(1098.9m)もあります。現地では気がつきませんでしたがテーブルの雪に何か書いてある?
富士山をカメラでズームアップ。宝永火口は見えました!

それとこの広々としたカヤトの下りは十分絶景ではあります。見えないものを惜しむよりも目の前の絶景を楽しむべきでしょう。

急げ急げ。早足で下ります。

電波塔?

うーん、やっぱり見えない(しつこい

見え(略


ん?

おお、天辺が見える!!

これが本日のベスト富士山ショットでした。
再び何かの鉄塔。

階段を下る。結構ぬかるんでいます。


14:17十里木高原展望台着。


右手の方に階段が続いています。……こういう丸太と丸太の間が深くえぐれてる階段ってものすごく歩きづらいですよね。丸太から丸太へ飛び移るようにして下りていきます。

階段を下りながらも富士山が見えますね(雲が無ければ)。十里木へ下りるようにしたのはそれが狙いでした。

大分下りてきました。あと少し!(電線が邪魔)



14:26十里木高原駐車場(十里木パーキングエリア?)着。馬ノ背見晴台から25分(コースタイム20分)でした。いや、ほんと下りのコースタイムって短すぎませんか? って馬ノ背見晴台の標識には十里木高原まで1.3km30分と書いてますね……。地図がおかしいのかな。(追記:ヤマケイオンラインのコースタイムがおかしいようです。越前岳~十里木バス停のコースタイムが明らかに短すぎます)

公衆トイレと洗い場。「ドロの付いた靴等は洗い場で落としてからトイレに入ってください」と書かれています。靴が泥だらけだったので助かりました。
泥を落としたりトイレに行ったりしてから14:34駐車場発。
十里木バス停
帰宅
感想
残念ながら富士山は見えませんでしたが綺麗な雪景色が見られたので良しとしましょう。
ただ、この距離、この方角からの富士山は他に選択肢が無さそう。また来なければならない気がします。土曜日はしっかり富士山が見られたみたいなので天気の読みが甘く自分の都合(平日)を優先してしまったのが悔やまれます。
本日のルート
愛鷹登山口バス停(08:29)…(08:43)山神社駐車場(08:46)…(09:14)愛鷹山荘(09:14)…(09:18)富士見峠(09:22)…(09:34)黒岳展望広場(09:35)…(09:40)黒岳(09:47)…(10:06)富士見岳(10:13)…(10:38)鋸岳展望台(10:41)…(11:19)富士見台(11:37)…(11:57)越前岳(12:57)…(13:06)勢子辻分岐(13:06)…(13:34)平坦地(13:34)…(14:01)馬ノ背見晴台(14:01)…(14:18)十里木高原展望台(14:18)…(14:26)十里木高原駐車場(14:34)…(14:39)十里木バス停
関連する他のルート
十里木バス停の本数が少ないので愛鷹登山口バス停へ戻る方もいました。越前岳から呼子岳~割石峠へまわって山神社へ下りられるようです。少し距離が伸びますし富士山目当てなら十里木へ下りたい気もしますが、それはそれでありかもしれません。
私とは逆に十里木バス停からスタートして愛鷹登山口へ下りる方も多くいました。越前岳で昼食を取っていた一団がそうでした。
昼食と言えば、今回のルート上、黒岳(または黒岳展望台)から越前岳までベンチはありませんでした。あったのは黒岳、黒岳展望台、越前岳、馬の背くらいでしょうか。昼食を取るなら越前岳か黒岳が良さそうですね。見晴らしもありますし。
シンプルに十里木から越前岳へ往復する人もいました。
“初雪直後の黒岳~越前岳(愛鷹山)、富士山は見えなかったけどまあいいか” への2件の返信