2022年6月20日(月) 入笠山へ行ってきました。
入笠山(にゅうかさやま)は長野県富士見町(ふじみまち)と伊那市(いなし)の境目にある標高1955mの山です。
山の東側(富士見町側)には、富士見パノラマリゾートというスキー場があり、夏期はトレッキングやマウンテンバイク、パラグライダー等様々なアウトドア活動が楽しめる施設になっています。
ゴンドラを使用すると標高1780m地点まで登山をせずに行けるので手軽に高い山を楽しむことが出来ます。ゴンドラ山頂駅から入笠山山頂までの距離も短く、その間には湿原や花畑と呼ばれるエリアもあり沢山の高山植物を楽しむことも出来ます。特に6月は約120万本ものすずらんが咲くとのこと。
梅雨に入りパッとしない天気が多い今日この頃ですが、地上の花を見るのであれば曇っていても問題ありません。ちょうどすずらんも咲いていることですし、あえて曇り空の日に行ってみることにしました。
当日の様子
富士見駅
2022年6月20日(月) 朝早くから中央線に乗って富士見駅へ行きました。
08:37 富士見駅着。もう少し早く着くことも出来たのですが無料送迎バスが10時発ということで、途中で時間を潰してから来ました。それでもかなり早い時間に着いてしまいました。
ホームには「標高九五六米」と書かれていました。入笠山の標高が1955mということなので、駅から山頂まで約1000mの標高差となります。
駅舎の中には富士見駅ギャラリーなるものが。過去の鉄道の写真が飾られていました。
駅の出入口は南側に一つだけです。
駅の右側には「丸政そば」という立ち食いそば屋がありました。窓は開いていましたが営業していたのかは不明。Webサイトには営業時間10:00~とあるので準備中だったのかもしれません。
トイレは駅舎の右側にあります。
駅の南側にはバス乗り場がありました。
標識は三つ。
セロリン号とすずらん号は自治体が運営するバスのようです。
これから向かう富士パノラマリゾートへ行く無料送迎バスの乗り場もここにあります。発車時刻は10:00。現在の時刻は8:42なのでまだ1時間以上先です。
富士見駅から徒歩で富士見パノラマリゾートへ
富士パノラマリゾートまで歩いて行くとなると48分(3.6km)かかります。
わざわざ歩きたくなどありませんが、
- バスを待つ時間よりもかなり短い時間で着いてしまう
- こんな何も無いところで1時間以上待つのは辛い
- 帰りのバスが15:00発なので元々滞在時間が短いと思っていた
- 今回はそれほど歩く予定では無いので多少歩きが増えても問題ない
といったことからバスに乗るのは諦めてノンビリと歩いて行くことにしました。帰りはバスに乗りましょう。
08:42 富士見駅発。駅を出て最初に右折できるところを右へ。
道なりに緩い下り坂を進み……
歩道橋を渡って右側の階段を降り真っ直ぐ。
左に曲がり……
上り坂。
ずっと真っ直ぐ。
突き当たりを左へ。
右手側に目的地が見えてきます。中央にゴンドラも見えます。
このあたりで富士見パノラマリゾートのバスとすれ違いました。きっと富士見駅に向かっているのでしょう。まだ1時間ほどありますが。
「富士見パノラマリゾート 1km→」「ゴンドラで行く入笠山→」の看板に従って右へ。
突き当たりを左。
坂道を登っていきます。
右へ。
このあたりで再び富士見パノラマリゾートのバスとすれ違いました。一台では足りなかったので応援を呼んだのかもしれません。
最初の大きな駐車場の奥を左に曲がると受付の建物が見えてきます。
09:25 富士見パノラマリゾート着。富士見駅から43分でした。
ふー、坂道もあるので結構疲れますね。
富士見パノラマリゾートのゴンドラ
窓口で大人往復一枚を購入。1800円。
チケットの他にも、次回使える割引券(1年間有効)、ガイドブック、富士見町の割引券をもらいました。
受付の建物には案内窓口と売店があります。
コンドラ乗り場は少し先にあります。
食堂(レストラン オリオン)の前を通ります。
9:33 ゴンドラ乗り場着。チケット売り場から5分くらいでしょうか。
乗り場は思っていた以上に並んでいました。小学生の団体が来ているようです。
このゴンドラはマウンテンバイクも乗れるというのが驚きですね。高い山から下って行くのは怖そうですが気持ちよさそう。
富士見パノラマリゾート MTBパーク – 富士見パノラマリゾート マウンテンバイク 長野県富士見町
壁に貼られていた地図。入笠山は南アルプスの最北端に位置しています。
09:45 ゴンドラに乗車。
ゴンドラが駅から飛び出して行く時の加速感は毎度の事ながらワクワクしますね。
ゴンドラは一度上昇した後しばらくなだらかな場所を進み再び上昇します。
09:57 ロープウェイ山頂駅着。乗車時間は12分くらいでした。
標高1780m、ゴンドラ高低差730mと書かれています。
山頂駅の建物には「山頂レストランスピカ」と書かれていましたがおそらく営業はしていないと思います。階段にロープがかけられていたので。外の山頂カフェは営業していました。
外に出て右側にあるのが入笠すずらん山野草公園。
帰りにゆっくり見ることにして先に進みます。
入笠湿原
09:59 入笠山ハイキングコース入口発。
入口の近くはまだ野草公園の中ということで草花の紹介がありました。
それを越えると普通の登山道に。林の中を歩きます。
10:09 獣害防止用の扉をくぐって中へ。
10:15 入笠湿原に降り立ちました。
湿原の真ん中を真っ直ぐ横切るだけというのもつまらないので、右に曲がってできるだけ湿原の縁を歩いてみます。
今回一番印象に残った花はこちら。
鮮やかな赤い花があちこちで非常に目を引きました。
入笠湿原の中央は十字路のようになっており、二方向がゴンドラ山頂駅となっているためやや混乱します。
とりあえず花畑・山頂の方へ向かいます。
入笠湿原の看板。標高は1734m。ゴンドラ山頂駅が1780mと書かれていたのでそれより少し低くなっています。
再び扉をくぐって外へ。
入笠湿原を振り返ります。ゴンドラ駅は奥に見える鉄塔の向こう側にあるようです。
入笠湿原の山頂側出入口の前には山彦荘という建物がありました。
食事のメニュー。
チケット売り場でもらった富士見町の300円割引券も使えると書かれています。
Webサイトによれば食事だけでなく宿泊もできるようです。
長野県諏訪郡富士見町入笠山の山彦荘(yamabikoso)ホームページ
近くに公衆トイレもありました。
入笠湿原~花畑
10:31 入笠山山頂(45分)と書かれた標識に従って先に進みます。
この辺りにはカゴメの森と書かれた看板があったのですが、クリンソウが見事でした。
写真だとどうしても目で見たときの感動が再現できません。鮮やかな花が一杯に広がっているのですが、引いて全体を撮ると密度が薄い感じになってしまいます。
10:44 クリンソウが沢山咲いていたエリアを抜けると広々とした斜面が現れました。
ここは花畑と呼ばれているエリアのようです。
花畑
花畑はすずらんをはじめ様々な花が見られる斜面です。ジグザグとつづら折りで上の方へ登っていけます。
ただし、入笠山へ行くならばどこかで右側に逸れなければいけません。私はそれに気がつかずに真っ直ぐ上の方へ進んでしまいました。
すずらんを発見! あっちにもこっちにも!
10:49 花畑のまだ下の方にあった分岐。
↑入笠山山頂30分、←首切清水40分、大阿原湿原50分、→入笠湿原20分、ゴンドラ山頂駅30分と書かれています。後から振り返るとここに入笠山山頂と書かれていたので油断してしまったんですよね。
花畑の途中には右側に出る扉がありました。山頂に行くにはどこかで花畑の右側にある道へ出なければならなかったようです。綺麗な花々に心を奪われそんな事とはつゆ知らず斜面を登っていきました。
すずらんの花は本当に小さくて撮るのが大変です。フォーカスもなかなか合いません。大きな葉の中に隠れるように咲いている場合が多いので構図も限られます。形の良い花を見つけるのも大変です。加えてしゃがんで立つと立ちくらみが酷くてなかなか集中もできませんでした。
11:06 花畑の一番上の出入口から出て真っ直ぐ進みました。
花畑→大阿原湿原
花畑から先はなだらかな道が続きました。人を何組も追い抜いて進みましたが一向に登りになりません。斜面をトラバースするような道が続いたので地図を確認したところ、なんと入笠山の東を南へ進んでいるではありませんか。
地理院地図には載っていない道を歩いています。下の車道と平行するように入笠山を巻く登山道が作られていて、そこを歩いていました。そういえば先ほど道を尋ねている人を見かけました。私と同じように間違った道に進んでいることに気がついた人だったのかもしれません。
既にこの巻き道の半分くらいのところまで来てしまっていました。
今から戻るのも億劫なので、先に大阿原湿原に行ってから入笠山に登ることにしました。どちらから行ってもそれほど問題ではありません。
11:13 八ヶ岳ビューポイントを通過。
デッキの上にベンチとテーブルが備え付けられています。下の車道の方にもベンチが見えます。入笠山はあちこちから八ヶ岳が見られるのでわざわざここで見る必要は無いと思いますが、少人数でちょっと休憩するには良い場所でしょう。
11:16 分岐を通過。
「←入笠山山頂30分」と書かれているのですがどうにも怪しい。入笠山の山頂はこの右側の斜面の上のはずで方角が違います。巻き道を進んでから右に曲がり登っていくはずですが、まだここでは無いはずです。
分岐の左には車道が見えています。そちらは地理院地図に書いてある道で確実なので、そちらに進むことにしました。
後から振り返ると、ここの標識は「←入笠山山頂30分 首切清水○○分 大阿原湿原○○分」とでも書いてあるべきものでした。先ほどのビューポイント脇の標識にはそのように書いてあるのですから、いきなり入笠山山頂だけ表示されると首切り清水屋大阿原湿原は分岐のもう一方だと勘違いしてしまいます。
11:18 車道に出ました。大阿原湿原へ向かいます。
少し歩いて 11:21 車道の右手に登山口がありました。
「首切登山道入口」と書かれていて、左は大阿原湿原(25分)、右は八ヶ岳ビューポイント(20分)とゴンドラ山頂駅(70分)、そして正面は入笠山山頂(30分)と書かれています。入笠山へ至る、花畑方面とは反対側の登り口になります。それにしてもビューポイント以降入笠山山頂までの所要時間はずっと30分と書かれているんですけど……。
先に大阿原湿原へ行くので、無視してなおも車道を歩きます。
11:23 首切清水着。
首切清水とは何とも物騒な名前だなぁと思いましたが、奉行が水を飲もうとしたら盗賊に首を切られたという伝説があるのだとか。処刑場とか合戦場とかではないんですね。
大阿原湿原
11:24 首切清水発。これまで通り車道を歩いても良いのですが、標識にちゃんと「大阿原湿原」と書いてあるので山道を歩こうと思います。
地面は少し泥濘んでいました。
11:34 木で作られたデッキに出ました。
右側に湿原の中へ進む木道があったので進んでみました。
湿原の対岸。地理院地図を見るとここから入笠山方面へ戻る道が描かれていますが、現地で見た限りハッキリとは分かりませんでした。
左へ曲がり大阿原湿原を一周してみます。
湿原の南西端。
この先はテイ沢と呼ぶ場所のようですが……
「この先のテイ沢は丸太橋流失のため通行は控えてください。」とも書かれています。
もちろんそちらまで行くつもりはありません。左へ。南岸を通って戻ります。
12:00 最初の木で作られたデッキの所まで戻ってきました。一周30分くらいでした。
お腹がすいたので少し休憩してコンビニで買ったパンをパクリ。
12:05発。
入笠山へ登る
12:13 首切清水を通過。
少し歩くとすぐに行きに見た首切登山道入口が見えてきました。
12:17 首切登山道入口を通過。
「法華道 佛平峠 1850m」と書かれた標識もありました。
ここから入笠山までは上り坂です。
12:29 入笠山山頂着。
入笠山
ちょうどお昼時ということもあるのか山頂は沢山の人で賑わっていました。
山頂から一番良く見える山はやっぱり八ヶ岳です。
八ヶ岳以外の山は曇っていてよく分かりませんでした。もらったガイドブックによれば、中央アルプス、北アルプス、御嶽山、乗鞍岳、富士山、甲斐駒まで見えるらしいです。
ゴンドラ山頂駅へ
入笠湿原のすずらん
13:00 入笠湿原まで戻ってきました。
ゴンドラ山頂駅は二方向どちらからでも行けます。
帰りはあの斜面を登ってみましょう。
と、ここにもすずらんが沢山。
13:34 湿原の外へ。
入笠湿原からゴンドラ山頂駅へ
13:20 ゴンドラ山頂駅に戻ってきました。
山頂カフェ
暑いので何か冷たいものでも飲みたいな、ということで山頂カフェのメニューを覗いてみました。
アイスコーヒーもありますが、自家製ドリンクというのも美味しそうです。窓口の黒板に書かれたメニューを見るとビネガーとシロップが分けてあり、その下にベリーやレモン、ルバーブと書かれています。さらにその下に水、ホット、ソーダ、紅茶などとも書かれており何やら複雑な様相を呈していました。
店員に聞いたところ、ビネガーはお酢でシロップは砂糖とのこと。いや、まぁ、そうでしょうね……。ルバーブは何かと尋ねたところ、「それです」と下を指さしたので見ると鉢植えがありました。
うーん、全く味が想像できません。仕方が無いので一番味が想像できるシロップ・レモン・ソーダを注文しました。600円。
しばらく待って出来上がったのがこちら。レモンを良く潰してお飲みくださいとのこと。
うん、冷たくて甘いレモンソーダです。……ちょっと冒険しなさすぎだったでしょうか? まぁ、でも美味しいですし、疲れが和らぎました。
入笠すずらん山野草公園
13:33 野草公園の中を見てみることにしました。
この辺りに咲くすずらんはドイツすずらんだということですが、ほとんどは枯れかけていました。
野草公園を下の方へ下って行くと下の町が大パノラマで迫ってきます。
一番奥には展望台が。
13:55 ゴンドラ山頂駅に戻ってきました。
ロープウェイで降りる
13:56 ゴンドラ山頂駅発。
14:11 ゴンドラ山麓駅着。
さすがにもう並んでいる人はいません。
とはいえすれ違う人も数名いたので今から上がる人もいるようです。
レストラン オリオン
14:16 まだ少し時間があるので、ゴンドラ駅とチケット売り場の間にあるレストランオリオンに入りました。
入口の近くに張り出されていたのは麺類や丼ものなどの食事のメニュー。もっと軽めなものは無いのかなと見回したところ、奥の方にソフトクリームのコーナーもありました。
ミックスソフト450円。
例のルバーブとミルクのミックスです。気になるルバーブのお味は、酸味の強いベリーのような味。果物と言われても気がつかないでしょう。ただ、少し濃いめな味なのでミックスでちょうど良かったかもしれません。美味しい美味しい。
無料バスで富士見駅へ・帰宅
14:34 チケット売り場まで戻ってきました。
バスの乗り場はどこかなと探したところ、出口の近く、休憩所の隣に標識がありました。
しばらくバスの横で待たされましたが、発車の10分前くらいに乗車。
15:00 富士見パノラマウェイ発。
15:08 富士見駅着。
中央線普通列車に乗って帰りました。
感想
初めて行きました入笠山。ゴンドラで楽々高いところに行けてお手軽なハイキングにぴったりの場所ではないでしょうか。人気もあるようで沢山の人で賑わっていました。
とは言え思っていたよりもアップダウンはありましたし、分岐も沢山あって道に迷って計画とは違う順序で回るというトラブルもありました。特にお花畑の辺りは道に注意した方が良いと思います。
大阿原湿原まで足を運びましたが、無理して行かなくても良かったかなとも思いました。あまりゆっくり見られなかったというのもありますけど。
入笠山の山頂も別に……という感じはありました。曇っていましたしね。
入笠湿原~花畑をゆっくり観察しながらまわり、山荘で食事をしたり、野草公園からドーンと八ヶ岳が見られるだけで十分楽しい気がします。
花に興味がある人なら行って損の無い場所だと思います。
近くに住んでいたら頻繁に散歩しに行きたくなるでしょうね。
“様々な花が咲く6月の入笠山” への1件の返信