2020年6月17日(水)、東京都の御岳山(みたけさん)から日の出山を経由して武蔵五日市駅まで歩いてきました。
経緯
今年の3~5月は件のウィルス騒ぎで観光地どころか近所の店さえも開いていないところが多く出歩く機会が減ってすっかり体が衰えてしまいました。腰や背中が痛くなりがちでこのままではぎっくり腰にでもなりかねません。食べる量はあまり変わらないのにエネルギーを使わないためか体調もなんだか良くありません。
運動不足になるとよく行くのが近くにある高尾山なのですがたまには違う所に行きたい。とはいえすっかり気力・体力が衰えてしまった今日この頃、あまり遠出をする気にもなれません。
そこで選んだのが御岳山。近所では高尾山に次いでケーブルカーで楽に登れる山です。これまでに行ったのは、子供の頃に一回(遠足かなにかだったような)、後は大人になってから一度夏にロックガーデン周辺を散歩したくらいでしょうか(暑かった。余談ですがこの御岳山の暑さが私が涼を求めて長野の山に行くきっかけになったのですがそれはまた別のお話)。しかし調べてみると御岳山はあちこちにコースが続いていて案外探索しがいがありそうな場所です。そこで今回選んだのが御岳山駅から日の出山に登り金比羅尾根を通って武蔵五日市駅まで降りるコース。最初にケーブルカーで御岳山駅まで上がってしまいますから登りはきつくありません。日の出山と麻生山の前で登りになりますが、武蔵五日市駅までの尾根道(金比羅尾根)はおおむね緩やかな下りです。コースタイムは5時間弱程度。2~3時間では物足りない、かといって7~8時間は歩きたくない、そんな微妙な気分にぴったりではないでしょうか。
6/11に梅雨入りが発表されパッとしない天気が続いていましたが、16日、17日と天気が回復しました。16日は準備が間に合わなかったので17日に行くことになりました。
今回のルート
御岳山駅(08:08)…(09:00)日の出山(09:21)…(09:35)クロモ岩分岐(09:39)…(10:00)白岩の滝分岐(10:00)…(10:06)麻生山(10:09)…(10:36)タルクボの峰(10:41)…(10:46)幸神分岐(10:46)…(11:52)金比羅神社分岐(11:52)…(11:55)金比羅公園東屋(12:04)…(12:37)五日市会館(12:37)…(12:56)武蔵五日市駅
電車、バス、ケーブルカーを乗り継いで御岳山駅へ
朝5時過ぎに自宅を出発。もうすっかり明るくなっていてびっくりしますね。今日の日の出時刻は4:25。あと数日で夏至です。
コンビニで買い出しをした後立川駅へ。
立川駅で6:10発のJR青梅線・奥多摩行きに乗車します。この列車は先頭4両が奥多摩行き、後ろの6両が青梅止まりなので先頭の方に乗車しましょう。青梅駅で列車の切り離し作業を行い長時間停車しつつ7:13御嶽駅着。運賃は480円でした。
続いてバスに乗ってケーブル下まで行きます。御岳駅バス停は駅を出て左に数十メートル歩いたところにあります。
7:17御岳駅バス停着。
乗車するのは西東京バスの「ケーブル下」行きです。
運行状況は西東京バスのサイトを参照してください。
しばらくしてバスが到着。Suica対応です。
7:30御岳駅バス停発。
7:38ケーブル下バス停着。御岳駅から284円でした。
バス停からケーブルカーの滝本駅までは200mほど歩きます。
7:41 御岳登山鉄道 滝本駅着。
こちらもSuica対応。持っていれば切符を買う必要はありません。
次の発車時刻は7:55です。
平日にバスを利用する場合ではこれが最も早い便となります。土日祝日や徒歩・車等で来られる場合はもう一本早い7:30の便が利用できます。(2020年06月現在)
詳しい運行状況等は御岳登山鉄道のサイトを参照してください。
発車の5分前に入場開始。Suicaをピッとかざすだけです。大人片道600円。同時に記念乗車券を受け取りました。
07:55滝本駅(標高407m)発。
約6分ほどで上の駅に到着します。
08:01御岳山駅(831m)着。
御岳山駅
駅を出て右側(駅を見て左側)に藤棚のある展望所(御岳平)があります。ちょっと霞んでいる気もしますがまずまずの天気でしょうか。
今日はここからこの地図上で左上(南東)の方へ歩いて行きます。
トイレは駅の右側の裏手、階段を下ったところにあります。
御岳山駅~日の出山
08:08 御岳山駅を出発。
しばらくは舗装された道(参道)が続きます。
鳥居の右にある碑には「永劫に 御岳の宝 邯鄲の声 / 矢島稔」と彫られていました(鄲はU+90F8の方?)。矢島稔というのは日本の昆虫学者(矢島稔 – Wikipedia)で邯鄲(カンタン)はコオロギ科の昆虫を指す(カンタン (昆虫) – Wikipedia)らしいです。秋の夜には虫の声が聞こえるのでしょうね。
御岳山一帯は山の上なのに民家が多いのが特徴的です。
「古狸山珈琲」近くの分岐。他の登山者は右へ進んでいました。大岳山へ行くという話が聞こえてきたので御岳神社を越えてその先まで行くのでしょう。私もそのうち行ってみたいです。
私は日の出山なので左に進みます。
分岐?
かと思ったら左は山楽荘という宿坊のようです。
ここも分岐では無く左は何かの作業場のよう(?)
左前方に小高い山が見えます。日の出山でしょうか?
道の脇は結構な急斜面です。今回のコースは全体的にこのような場所が多くありました。落っこちたらただでは済まないでしょう。
唐突に現れた黄色い鳥居。脇に「頭上注意↑ この先、10m先上に枯木あり」と書かれています。が、特にそれらしきものは見当たらず。2019.6.5と書かれているので台風か何かで飛ばされてしまったとか?
鳥居のすぐ脇に標識があります。右に降りると「上養沢バス停」だとか。
まっすぐ進みます。
お、出ました。関東ふれあいの道標識。
高尾山~陣馬山や筑波山でも見覚えのある標識です。ここは「杉の木陰のみち」コースの一部となっているようです。
黄色い鳥居のすぐ先にはまた分岐があります。
- 左: 日の出山0.8km、上養沢バス停4.1km
- 右: 上養沢バス停3.8km、金比羅山 三ツ沢
と書かれています。日の出山を迂回して巻き道で金比羅山の方へ行くこともできるみたいです。でも今回はもちろん日の出山へ登ります。左の階段を進みます。
「青梅市」「境」「日の出町」と書かれた標識。
国土地理院の地図を見るとここは登山道と市境(二点鎖線)の交点となっています。ここから日の出山山頂まで続く尾根が市境です。登山道はいったん尾根から遠ざかりますが折り返して再び尾根に向かって登っていくことになります。
上の方が明るくなってきました。
8:57 ベンチとトイレ、それに東雲山荘がある広場に出ました。
ここから日の出山まであとわずか。
階段を登り切ると山頂が現れます。
09:00 日の出山山頂着。御岳山駅から52分(コースタイム75分)でした。
日の出山山頂
おおー、良い景色!
山頂は広く開放的。多数のベンチに東屋、それに展望盤などがあります。
日の出山の標高は902m。
小腹が空いたので東屋の下でおにぎりを二つつまみました。
東屋の柱には温度計が。9:18の気温は約22℃。涼しい風が吹いていて快適です。
今日はこれからこの地図で左上(南東)に向かって進んでいきます。
日の出山~クロモ岩
ゆっくり景色を堪能した後 09:21 日の出山を出発。今回はここからの下りが長い。まずはクロモ岩という場所を目指します。
急な階段が続きます。
標識のある分岐。
左は三室山(3.3km)・二俣尾駅(6.3km)、直進は上養沢バス停(3.1km)・金比羅尾根・つるつる温泉と書いてあります。左は日の出山山頂から東へ下りるコースと合流するようです。行きたいのは金比羅尾根なので真っ直ぐ進みます。
またすぐに分岐がありますがここには金比羅尾根のことは書いていませんでした。地図で見ると金比羅尾根は右の方向なのですが右は御岳山となっています。とりあえず計画では次はクロモ岩になっていてクロモ岩は前の方向のようなので真っ直ぐ下っていくことにしました。
急な階段を降りながら右手を見ると谷間を挟んで尾根が枝分かれしているのが見えます。向こう側がおそらく金比羅尾根ではないでしょうか。
09:35 階段を降りきるとベンチのある分岐に着きました。ここにも金比羅尾根のことは書かれていません。くろも岩10mと書かれているのでおそらくここがクロモ岩の分岐なのでしょう。
クロモ岩
10mということなのでそちらに少しだけ進んでみましたが草木の間に大きな岩の一部が見えており、その左に道が下っていました。岩の上にも登れましたが特に見晴らしが良いわけでもありませんでした。
引き返してベンチのある分岐へ戻り、分岐を下へ降りるとすぐにまた標識があります。
ここには金比羅山、武蔵五日市の文字が。やはりこの先が金比羅尾根なのですね。尾根の先にあるピークが麻生山でしょうか。
ちなみに標識の左は「つるつる温泉3.0km、日の出山登山口バス停2.8km」と書いてあります。つるつる温泉までのコースタイムは70分ほど。場合によってはつるつる温泉に下って温泉に入ってから帰ることも考えていたのですが、まだ体調は問題ありませんしこのまま武蔵五日市まで進むことにします。
クロモ岩→麻生山
09:40 クロモ岩の下を出発。金比羅尾根に入り次のピーク、麻生山を目指します。
ふと道の脇に目をやると赤い実があちこちになっていました。何かの木イチゴでしょうか?
小さな火花を散らしたような紫色の花も咲いていました。あじさいに似ていますがコアジサイというもののようです。
09:59 麻生山の手前で分岐。
麻生山に登るか巻き道で迂回するか選べるようです。もちろん登ります!
クマに注意の張り紙も。「十分ご注意ください」と言われましても私には手を叩いたり口笛を吹いたりするくらいしかできませんよ……。ちなみにすれ違う人の二人に一人くらいは熊鈴を鳴らしながら歩いていました。
10:06麻生山着。クロモ岩から26分でした。
麻生山(794m)山頂
麻生山の山頂は道の途中に山頂標識とベンチが一つ。片側に見晴らしがあります。
麻生山~タルクボの峰
10:09麻生山発。
かなり急な坂道を下ります。
急な下り坂を降りきると多数の標識が待ち構えていました。
左(白岩の滝)にも分岐していますがこの道は地図に載っていない気がします。
武蔵五日市方面は右へターン。
10:21 巻き道との合流点に着きました。
ここからは緩やかな尾根道が続きます。
道の脇に目を落とすと何やら丸い物体が。何かのきのこでしょうか? 調べた限りノウタケのように見えます。
古民家 大峰(WOODLAND BOTHY)と書かれた看板。後で調べましたが宿泊施設のようです。こんなところに……。
なだらかな尾根道が続きます。
タルクボの峰
道を歩いていると唐突に「タルクボの峰」と書かれた手書き文字が目に入りました。
スマホの地図にも「タルクボの頭」という文字がありました。
タルクボって何でしょう? ある種のピークなのでしょうが、それほど遠くは無さそうなので登ってみることにしました。
急な坂を登るとすぐに送電鉄塔が見えてきました。
その麓に「タルクボの頭」と書かれたプレートが。
脇に「樽窪の峰」と書かれた杭が打たれていました。
なるほどタルクボというのは樽窪と書くのですね。それで樽窪ってなーに?? 謎は深まるばかりです。
送電鉄塔より先は鬱蒼としていて降りられるのかよく分からなかったので引き返して元の道を進むことにしました。
幸神分岐
タルクボの峰から300mほど少し進んだところにあるのが幸神分岐です。
10:46 幸神分岐着。クロモ岩から1時間6分(コースタイム1時間5分)でした。
左に行くと武蔵五日市駅の北にある日の出町の幸神地区へ下りられるようです。武蔵五日市駅へ行くにはとりあえず右の金比羅方面で間違いありません。
幸神分岐~金比羅山方面
10:46 休まず金比羅方面へ向かいます。下り基調のなだらかな尾根道が続きます。
道を歩いていると木に丸印で文字が書かれていることに気がつきました。これまでも木に線やら何やら書いてあるなとは思っていたのですが、これは何でしょう。丸印に和でしょうか? 人の名前? ここから見つけるたびに写真を撮ることにしました。
時々標識のない分岐が出てきますが、地面の様子を見ると一方は枯枝や枯葉に覆われていてあまり使われていないことが分かります。作業用の道か何かでしょうか?
11:19 標識のある分岐。
左に行くとあじさい山や深沢山抱きの大カシに至るそうです。
山抱きの大樫というのは深沢地区にある特徴的な樫の木らしいです。
あじさい山はどこかで聞いたことがあります。少しアクセスが悪い場所だった記憶があるのですが歩いて行けるのですね。ちょうどあじさいの季節ですしそっちへ降りても良かったかもしれません。
とはいえ今日は武蔵五日市へ行くつもりだったので右へ。
この辺りから下り階段が多くなってきます。
陸橋が見えると金比羅山のすぐ近くです。
金比羅山の近くで左上に道が続いているのが見えました。
標識も無く地図にも載っていない道です。
ただ、金比羅山の山頂468m地点との位置関係を見るとこの道は山頂へ向かっているように見えます。地図に載っている方の道は山頂より南側を通っています。おそらくこのまま真っ直ぐ進むと山頂を迂回することになるのではないでしょうか。少し迷いましたが疲れたので山頂はスルーして真っ直ぐ進むことにしました。
11:52金比羅神社分岐通過。幸神分岐から1時間6分(コースタイム1時間5分)でした。神社には特に興味が無いのでそのまま先へ進みます。
地図を見ると展望台という文字があったので先の分岐をまた上の方に登ってみました。
するとその先に見晴らしの良さそうな東屋が。
おおー、良い景色。少し休憩することにします。
11:55 金比羅公園東屋着。
金比羅公園東屋
この辺りは金比羅公園緑地として整備されているようです。
金比羅公園~武蔵五日市駅
12:04東屋発。
暑い~、足イタイ~。このあたりになるとだいぶ疲れていましたがあと少し。
12:56武蔵五日市駅着。金比羅公園東屋から48分(コースタイム40分)。御岳山駅から4時間48分でした(休憩込み)。
金比羅山の前後くらいで持っていた水を飲み干してしまったので駅に着くなり麦茶を購入。今回水はコンビニで買ったペットボトル2本のみでしたが微妙に足りなかった気がします。これからの季節は1.5~2Lくらい持っていった方が良さそう。
帰宅
何か食べたかったのですが特にピンとくるお店も見つけられなかったのでサッサと電車に乗り込んで帰宅しました。
感想
日の出山は思っていたよりも良い景色でした。麻生山くらいまでは風も涼しく夏の高原にも負けていない快適さでした。
しかしお昼が近づくにつれて次第に暑くなり当初の快適さは失われてしまいました。疲れも溜まって最後の方はヘロヘロになりながら武蔵五日市駅にゴールイン。ここ3ヶ月ほとんど歩いていない人間がいきなり5時間歩くものではありませんね。2~3時間くらいのコースにしておけば良かったかもしれません。つるつる温泉に下るのでも良かったかも。
とはいえコースは悪くなかったと思います。危険なところはありませんし中程度の運動にはぴったりだと思います。途中逆方向から登ってくる人と何人もすれ違いました。体力がある方なら御岳山まで登ってさらにその先へ進んだりケーブルカーを使わずに降りたりするのでしょうね。私は下りだけで十分ですけど。長距離歩くならもう少し寒い時期の方が快適でしょうが、近場だとそう贅沢は言っていられないかもしれません。
実際に歩いて見ると興味をそそる分岐がいくつかありました。他のコースもそのうち歩いてみたいところです。