立川から上高地への行き方(2023年版)

北アルプスの玄関口である上高地。度々行く機会があるので行き方を調べてみました。
新宿からなら(席が取れれば)さわやか信州号等が分かりやすいのでしょうが、東京の西部、例えば立川からだといったん新宿まで出なければ乗れないので微妙です。
バス・電車を含めて詳しく調べてみました。

※全て2023年5月現在の情報です。 2024年以降はどうなるか分かりませんが、参考になる部分は残るかもしれません。

使用できる交通機関

立川から上高地へ行く場合に利用できそうな交通機関をまとめました。

路線図


路線基礎情報

※高速バスの運賃は全てWEB上で予約・決済したときの料金です。

※電車の運賃はICカードを使用したときの料金です。

ルート比較

実際に上高地まで行くルートには次のようなものがあります。

  • さわやか信州号(夜行)
    • [7083円~12683円]立川→新宿→バスタ新宿(22:25発)→上高地(05:20着)
    • [8619円~10819円]立川→渋谷→渋谷マークシティ→上高地(05:20着)
    • [11049円~13249円]立川→東京→東京駅八重洲南口→上高地(05:20着) (2023年運行無し)
  • 毎日あるぺん号(夜行)
    • [8683円~11683円]立川→新宿→都庁大型バス駐車場(23:00発)→上高地(05:20~06:30着)
  • 高速バス高山線(夜行)
    • [7059円~7559円]立川南→甲州街道→中央道日野バス停(23:28発)→平湯温泉→上高地(05:25~06:55着)
  • 高速バス高山線(昼行始発)
    • [6559円~7059円]立川南→甲州街道→中央道日野バス停→平湯温泉→上高地(12:25着)
  • 特急あずさ・上高地線・バス
    • [8220円]立川→松本→松本バスターミナル→上高地 (ナショナルパークライナー使用)
    • [8360円]立川→松本→新島々→上高地 (上高地線使用)
  • 普通列車・上高地線・バス
    • [5980円]立川→松本→松本バスターミナル→上高地 (ナショナルパークライナー使用)
    • [6120円]立川→松本→新島々→上高地(10:30着) (上高地線使用) (★当日最早着)
  • 高速バス松本線・上高地線・バス ※WEB4枚回数券使用
    • [5634円]立川南→甲州街道→中央道日野バス停→松本バスターミナル→上高地 (ナショナルパークライナー使用) (★最安値)
    • [5774円]立川南→甲州街道→中央道日野バス停→松本バスターミナル→松本→新島々→上高地 (上高地線使用)
  • 松本前泊
    • 立川→松本→宿泊→松本バスターミナル→上高地 (ナショナルパークライナー使用)
    • 立川→松本→宿泊→松本→新島々→上高地 (上高地線使用)

最も安いのは松本行き高速バスを使うルートです。新宿~松本間は本数も多く電車との競争もあるせいか安価です。ただし立川からだと中央道日野バス停へのアクセスが少々不便というデメリットも。また、最近の値上げで普通列車との価格差はほとんど無くなってきています。

楽に行くなら特急列車(あずさ)を使うルートでしょう。鉄道利用でかつ乗車時間も少ないので体への負担も少なくなります。指定券は高く付きますが、近年はさわやか信州号も10000円越えが当たり前になってきているのでそれよりは安くなります。特に上高地から中央道日野へ10000円出して帰るならあずさで帰りたくなります。

直行の高速バスで有名なのはさわやか信州号です。ただし、行きは中央道日野に止まらないので新宿から乗る必要があります(帰りは中央道日野に止まります)。立川からだとそれほど便利ではありませんが夜行で早朝に着けるのが魅力です。

毎日あるぺん号は行きづらい場所へのアクセスを提供してくれる便利な登山バスですが、上高地行きの夜行バスも運行しています。さわやか信州号よりも時期が限定されているようです。

普通列車は安価ですがかなり時間がかかります。バスが苦手、または時間を潰すネタ(読書、考え事、睡眠など)がある場合には十分検討の余地があると思います。また、途中で降りて中央線沿線観光も兼ねるというのもまた一興でしょう。途中で降りた場合運賃は高くなる場合もあれば安くなる場合もあります(参考:乗車券分割)。北松本まで買って途中下車できる乗車券にするという方法もあります(松本までだとSuicaが使える代わりに途中下車できません)。

モデルプラン

夜行バスで行く

夜行バスの魅力はなんと言っても早朝から山行を開始できる点でしょう。また、ホテルで前泊するよりは安く上がります。ただし車内で寝られない人にはお勧めできません。

さわやか信州号(夜行)

上高地行きの夜行バスとして最も有名なのはさわやか信州号でしょう。

時刻 場所 移動手段 料金
21:19 立川 発 中央線快速東京行き 483円(IC)
21:56 新宿 着    
  新宿 発 徒歩  
22:05 バスタ新宿 着    
22:25 バスタ新宿 発 さわやか信州号 6600円~12200円(スタンダード最安値時~グリーン最高値時)
05:20 上高地BT 着    
8時間01分     7083円~12683円

直通バスならではの乗り換えの少なさも魅力です。

バスタ新宿~上高地間の所要時間は昼行5時間弱に対して夜行は7時間弱かかります。夜行はSAやPAで長時間停車しているので、おそらく睡眠時間を十分確保するためにあえて時間をかけているのだと思われます。

さわやか信州号の下り線は中央道日野に停車しないので新宿まで行って乗る必要があります。

立川から新宿までの時刻は平日ダイヤのものを例として記載しました。土休日は多少変わります。

中央線は遅延が生じることが度々あるので、バスタ新宿での乗り遅れに注意してください。多少早めに行ってコンビニで買い物をすると良いでしょう。

今回は割愛しますが、毎日あるぺん号もこれに近い行程になります(乗車場所はバスタではなく都庁になります)。さわやか信州号が取れない場合にはそちらも検討すると良いでしょう。

平湯温泉経由(夜行)

夜行としては新宿~高山線の高速バスを使用する方法もあります。

時刻 場所 移動手段 料金
22:50 立川南 発 多摩モノレール 多摩センター行き 214円(IC)
22:54 甲州街道 着    
22:55 甲州街道 発 徒歩  
23:03 中央道日野 着    
23:28 中央道日野 発 高山濃飛バスセンター行き 5800円(B運賃+夜行)
03:35 平湯温泉BT 着    
06:30 平湯温泉BT 発 上高地BT行き 1045円(往復割引)
06:55 上高地BT 着    
8時間05分     7059円

平湯温泉での待ち時間が長いのであまりおすすめは出来ませんが色々とメリットがあるのも事実です。夜行にもかかわらず比較的安価です(さわやか信州号は大抵1万円くらいにはなってしまいます)。何より新宿まで行かなくて良いのが嬉しいですね。かなり遅い時間に出発できます。

平湯温泉6:30発の上高地行きのバスですが、繁忙期には5:00や5:30、6:00発のバスもあるので、その日を狙えばそこまで待ち時間も苦しくないかもしれません。

一番の問題は睡眠をどう確保するかでしょうね。

立川南から甲州街道駅への時刻は平日ダイヤのものを使用しています。土休日も大きくは変わらないようです(22:51発がある)。

多摩モノレールは遅延が生じることが度々あるので、中央道日野での乗り遅れに注意してください。甲州街道駅と中央道日野バス停の間にはセブンイレブンがあります。時間に余裕があったら利用すると良いでしょう。

安く行く

1円でも安くしたいなら新宿~松本線の高速バスを使うのが一番です。ただし便によって運賃は変動するので、注意しないと普通列車の方が安くなる場合もあります。

時刻 場所 移動手段 料金
06:19 立川南 発 多摩モノレール 多摩センター行き 214円(IC)
06:23 甲州街道 着    
06:23 甲州街道 発 徒歩  
06:31 中央道日野 着    
06:35 中央道日野 発 松本BT行き 2850円(WEB4枚回数券)
09:23 松本BT 着    
10:15 松本BT 発 上高地行き 2570円(要予約)
11:55 上高地 着    
5時間36分     5634円

高速バスの運賃は条件によって変わります。中央道日野~松本はWEB予約の場合最低2800円ですが実際には3000円を割ることはあまり無いようで高いときは3700円程度にはなっているようです。窓口等で買うと3600円~4000円かかります。WEB4枚回数券は固定料金の中では最も安く1枚あたり2850円です。以前は2枚回数券がありましたが廃止され4枚回数券のみになりました。

上の表は10:15松本BT発のナショナルパークライナーに乗る事を前提にしています。これは上高地へ乗り換え無しでいける直通バスで、便利な上に運賃も新島々で乗り換えるよりも安くなります(個人的にはこの価格設定はかなり理不尽だと思います)。ただし、予約制なので乗れない(予約が取れない)可能性があります。その場合は10:10松本駅発の電車に乗って新島々で乗り換えて上高地へ向かうことになります(運賃は+140円で到着時刻は変わらず11:55)。

早い時刻に着く(普通列車または新幹線)

(始発で)最も早い時刻に上高地に到着するには、中央線の普通列車を使用します。早い時間帯には特急あずさや高速バスはまだ運行していないので普通列車を使用するのが理にかなっています。朝の時間帯は本数や接続が良く、特急に追い越されないというのも大きいのでしょう。

時刻 場所 移動手段 料金
04:57 立川 発 中央線高尾行き 3410円
05:14 高尾 着    
05:15 高尾 発 中央線大月行き  
05:51 大月 着    
05:54 大月 発 中央線甲府行き  
06:41 甲府 着    
06:46 甲府 発 中央線松本行き  
08:31 松本 着    
08:43 松本 発 新島々行き 2710円
09:14 新島々 着    
09:25 新島々 発 上高地BT行きバス  
10:30 上高地BT着    
5時間33分     6120円

立川駅4:57発というのはかなり早い時間です。立川駅からスタート出来るなら良いですが、近くの駅から立川駅へこの時間に着くのは困難な場合も多いでしょう。なのでもう少し遅い時間も載せておきます。

時刻 場所 移動手段 料金
05:25 立川 発 中央線大月行き 3410円
06:19 大月 着    
06:25 大月 発 中央線甲府行き  
07:13 甲府 着    
07:24 甲府 発 中央線松本行き  
09:18 松本 着    
09:23 松本 発 新島々行き 2710円
09:54 新島々 着    
10:05 新島々 発 上高地BT行きバス  
11:10 上高地BT着    
5時間45分     6120円

松本駅での乗り換え時間が少ない点に注意する必要があります。改札の外に出る時間が無さそうであれば、そのまま上高地線に乗り換えて新島々駅で精算するのが良いでしょう。Suicaで入っていると手続きが面倒になる可能性があるので、松本までの乗車券をあらかじめ紙のきっぷで購入しておいた方が無難だと思います。

松本駅9:23発の電車に間に合わなかった場合、次は10:10発の電車か10:15発のナショナルパークライナー(予約制の直通バス)になります。どちらも上高地に11:55に着きますが、予約が取れるならナショナルパークライナーの方が良いでしょう。

10:10の電車や10:15のバスを前提にするならば、もう少し余裕のあるプランがあります。

時刻 場所 移動手段 料金
05:53 立川 発 中央線高尾行き 3410円
06:10 高尾 着    
06:15 高尾 発 中央線松本行き  
09:35 松本 着    
  松本 発 徒歩  
  松本BT 着    
10:15 松本BT 発 上高地BT行きバス(予約制) 2570円
11:55 上高地 着    
6時間2分     5980円

高尾始発の松本行きに乗れば乗り換え回数をグッと減らすことが出来ます。

バスの予約が取れない場合は松本駅10:10発の電車を利用してください。運賃は+140円です。

おまけで新幹線を利用するルートも紹介しておきます。高価で乗り換え回数が多く所要時間もそれほど短くないのであまりおすすめできませんが、5:26立川発で10:30に上高地に着けるのは魅力です。もっと新幹線駅に近い場所に住んでいる人であればより魅力的に感じるでしょう。

時刻 場所 移動手段 料金
05:26 立川 発 中央線東京行き 5170
05:31 西国分寺 着    
05:34 西国分寺 発 武蔵野線海浜幕張行き  
05:59 武蔵浦和 着    
06:04 武蔵浦和 発 埼京線大宮行き  
06:16 大宮 着    
06:41 大宮 発 北陸新幹線 かがやき501号 金沢行き 3170
07:36 長野 着    
07:45 長野 発 信越本線 特急しなの4号 名古屋行き 600
08:37 松本 着    
08:43 松本 発 新島々行き 2710
09:14 新島々 着    
09:25 新島々 発 上高地BT行きバス  
10:30 上高地 着    
5時間4分     11650

短い移動時間で行く

「とにかく乗り物に長く乗っていたくないんだ」という人は特急あずさを使うのが一番です。所要時間は4時間34分です。

時刻 場所 移動手段 料金
07:21 立川 発 あずさ1号 5650円
09:38 松本 着    
  松本 発 徒歩  
  松本BT 着    
10:15 松本BT 発 上高地BT行きバス(予約制) 2570円
11:55 上高地 着    
4時間34分     8220円

バスの予約が取れない場合は松本駅10:10発の電車を利用してください。運賃は+140円です。

松本で前泊していく

松本で安いホテルにでも泊まって、翌日朝一で上高地へ向かうという手もあります。

時刻 場所 移動手段 料金
  立川 発 何らかの方法で松本へ ????
  松本 着    
       
05:30 松本BT 発 上高地BT行きバス 2570円
07:05 上高地BT 着    

ただし、松本バスターミナル5:30発のバスはナショナルパークライナーとして予約制になっています。予約が取れない場合は次の松本駅6:31発→上高地8:15着の電車・バス乗り継ぎ便を利用する必要があります。

松本には安価な宿が何軒かあります。私がこれまで泊まったことがあるホテルは次の通りです。

特にホテルMマツモトはカプセルホテルなので安く済ませたいならこれ以上のものはほとんど無いかと思います。カラオケ屋や(身分証明書が必要ですが)漫画喫茶で夜を明かすという手もありますが。

もちろん松本に限らず沢渡~平湯あたりの宿に泊まるという手もあるでしょう。その場合夜行と遜色ない時間帯に上高地に着くことも可能です。

私は泊まったことがありませんが、このような安価な宿もあるそうです。

もちろんもっと高級な宿もあります。

最終便で行く

遅い時間に上高地に着いて近くの宿で一泊するプランです。

時刻 場所 移動手段 料金
12:22 立川 発 特急あずさ21号松本行き 5650円
14:35 松本 着    
15:26 松本 発 新島々行き 2710円
15:57 新島々 着    
16:10 新島々 発 上高地BT行きバス  
17:15 上高地BT着    
4時間53分     8360円

まぁ、わざわざ最終ギリギリを攻める必要は無いとは思いますが。

注意:

  • 松本での乗り換えに失敗すると上高地までたどり着かない可能性があります。
  • 宿の最終チェックイン時間をご確認ください。

私のこれまで

それで実際私はこれまでどうしたのかですが、松本で前泊することが多かったです。翌朝5:30発のバスに乗れば上高地を朝7時頃からスタートできます。夜行よりは遅い時刻になりますが、夜行は予約が取れなければ諦めるよりありませんので。

ただ、2021年から松本5:30発のバスがナショナルパークライナーとして予約制になってしまったので、今後は昼に上高地に入って上高地~横尾のどこかで前泊することが増えそうな気がしています。実際に2021年の秋は予約が取れなかったので徳沢で前泊(テント泊)しました。立川からだと始発で昼頃には上高地に入れます。そこからその日のうちに横尾まで行ってしまえば、次の日は上高地の最初の3時間をスキップしたところからスタートできることでしょう。朝フレッシュなコンビニ食材を購入できないという欠点もありますが。

もちろん夜行バスを利用したこともありました。上高地を朝5時台からスタートできるのが最大の魅力です。ただ、夜行バスは体に負担がかかるものなのでのんびりしたいなら前泊もそう悪いものではありません。

注意点

運行状況や時刻、運賃はその日の都合で変わる可能性があります。事前に公式サイトなどの情報をよく確認した上でご利用ください。

まれに自然災害(台風、豪雨、土砂崩れ、火山活動)等により運休になる場合があります。豪雨によって上高地エリアが孤立し外界との交通が遮断される事態も度々起きています。中央線や中央自動車道が土砂で埋まりしばらく通行止めになったこともありました。また、可能性は低いですがひとたび焼岳でも噴火しようものなら現地は大混乱に陥る可能性があります。そのようなことも起こりえるのだということを頭の片隅に留めておきましょう。

帰りのバスの予約について

2020年度から上高地発新島々行きのバスは全便予約が必要になりました。以前から整理券の発行が必要でしたが、それが予約制に移行した形です。

便の予約のみで席の予約は出来ません。着席は乗車開始時点で並んでいる順番で行われます。

整理券とは違い乗車券の購入まで予約時点で済ませておく必要があります。

予約は発車オ~ライネットの他、上高地バスターミナルの窓口でも行えます。

詳しくはアルピコ交通のサイトをご確認ください。

路線バス | 長野のバス・鉄道ならアルピコ交通株式会社

混雑時には増便すると思うので直前の窓口予約でもおそらく帰れなくなるということは無いと思いますが、希望の時間に松本まで帰れないということはあり得るとは思います。

松本での乗り換え方法

松本駅から上高地へ向かうには、時間帯によって適切な乗り場へ移動する必要があります。鉄道(上高地線)であれば松本駅の7番線へ、バス(ナショナルパークライナー)であれば松本バスターミナルへ行く必要があります。

JR東日本:駅構内図(松本駅)

JRで松本駅まで行って上高地線へ乗り換える場合、いったん改札を出て券売機で上高地までの切符を購入して再度入場してください。時間が無い場合は切符を買わずに乗り換えて新島々駅で精算することも可能ですが、精算機や窓口で並ぶことになるでしょう。

また、Suicaで入場した場合は新島々駅では処理が出来ないと思うので松本駅でいったん改札外に出ないとダメだと思います(未確認)。新島々まで行ってしまうとおそらく全額現金で精算した上、書類を書いてもらって入場取消を対応駅でしてもらわないといけないのではないでしょうか? 乗り換え時間が短い場合はあらかじめ紙の乗車券を購入しておくことをお勧めします。

JRで松本駅まで行ってバスへ乗り換える場合、改札を出て東口(お城口)を降り、ロータリーを見て右方向へ進み、横断歩道を渡ってすぐの所にバスターミナルが入っているビル(アルピコプラザ)があります。

リンク集

予約サイト

.

にほんブログ村 旅行ブログ 山・高原へ 人気ブログランキング

“立川から上高地への行き方(2023年版)” への3件の返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です