2023年2月6日(月) 山梨県大月市にある御前山と菊花山へ行ってきました。
きっかけ
秀麗富嶽十二景10番山頂
御前山は大月市が選定した秀麗富嶽十二景の10番山頂に数えられています(九鬼山も同時に10番山頂に数えられています)。
これまで登ったことがある秀麗富嶽十二景の山は、岩殿山とお伊勢山くらいです。(実は高川山も登ったことがありますが富士山が見えなかったので無かったことにしています)
駅のすぐそば岩殿山から富士山と大月の街並みを眺める | やまころ旅ブログ
大月市桜めぐり~お伊勢山と岩殿山で絶好のお花見日和 | やまころ旅ブログ
岩殿山に行ったときに撮影した写真を見返してみると駅のすぐ南にある菊花山やその裏にある御前山から九鬼山への稜線が見て取れます。
アクセス
御前山と菊花山はJR猿橋駅~大月駅のすぐ南にあります。
猿橋駅側の登山口は次のあたりにあります。
大月駅側の登山口は次のあたりにあります。
どちらも駅から徒歩10~15分くらいなので完全に電車だけでアクセスできる非常に行きやすい登山口です。
この他にも猿橋駅と大月駅の間にも登山口があるようですが今回は使いません。
コース概要
コースの概要については大月市観光協会が作成したガイドマップが非常に参考になります。
菊花山・御前山 登山ガイドマップ(大月市観光協会)(PDF)
かなり詳しい地図が載っているのでこれ以上の説明は不要でしょう。紙のガイドマップを駅の観光案内所(営業時間 4月~11月 8:00~17:00, 12月~3月 9:00~17:00)でもらうことも出来るようです。
大月市観光協会のサイトには別のページやPDFもありますが、そちらは少し簡素な地図になっています。
大月市観光協会 Otsuki Tourism Association – 体験する – 御前山
菊花山と御前山を巡るコースのコースタイムは地図にもよりますがおおよそ4時間半くらいです。私がよく行く高尾山と比べると、感覚的には高尾山口から城山まで行って戻ってくるくらいの運動強度ではないでしょうか。短すぎず長すぎず、ちょっとした運動不足解消にはちょうど良いコースです。ただし、岩の急勾配や足場が悪い場所もあるので難易度は高尾山より若干上でしょう。菊花山か御前山のどちらか一つだけ登ることでコースを短くしたり、九鬼山を経由して禾生駅へ至るなどコースを長くすることも可能です。
本日の移動経路
旅行の様子
立川駅→猿橋駅
2023年2月6日(月) 早朝、立川駅にやってきました。
乗り込むのはいつもの立川始発大月行きです。
05:25 立川駅発。
降りたのは大月駅の一つ手前にある猿橋駅。早朝の大月行きであれば立川から51分で着きますが、昼間だと高尾駅での乗り換えや特急の通過待ちがあり1時間以上かかります。
06:16 猿橋駅着。
車窓から見える景色は終始真っ暗だったのですが、降りてみると少し明るくなっていました。今日の大月市の日の出は6:41頃。まだ25分ほど先です。
西の空にはまん丸な月が浮かんでいました。ついさっき、3:30頃に満月だったようです。
猿橋駅の改札。
この時間は簡易Suica改札機のみ。右側に掛け時計があります。少し前の写真には電光掲示板の右に時計が写っているので、ここも最近撤去されたのでしょう(参考: JR駅から撤去した時計「再設置を」…市議会が決議「サービス低下で信じがたい」 : 読売新聞オンライン)。
大月駅と違ってこちらは北口があります。今回は南口へ。
猿橋駅→登山口
06:22 猿橋駅発。
駅を出て正面の道を右へ。
沈んでいく月。
06:26 スロープのような道が見えてきました。
そのスロープの手前、交差点の左前カドに「九鬼山」と書かれた標識がありました。
「九鬼山」としか書かれていませんが御前山にもつながっています。今回のルートは御前山の先にある分岐次第で菊花山ではなく九鬼山へ行くこともできます。御前山も一緒に書いておいて罰は当たらないと思うんですけどね。
九鬼山は秀麗富嶽十二景では御前山と同じ10番山頂に数えられている山です。九鬼山まで縦走しようかとも思いましたが、せっかくの運動の機会を一回で済ませてしまうのは勿体ない気がしたので今回は御前山~菊花山のルートを歩きます。
標識に従って左へ。
06:30 月が沈みそう。
反対側の空は大分明るくなってきました。
06:33 ヘアピンカーブの外側に階段が見えました。
実質的にここが登山口だと言って差し支えないでしょう。
熊出没注意の看板があります。
登山口→神楽山
06:34 登山口通過。猿橋駅から12分。
入口の様子からもっと鬱蒼としているかと思ったのですが、入ってみると案外普通の道でした。季節がら枯葉が多いのでスリップ注意。
微妙に道が傾いていたり倒木もあるので注意しましょう。
ちょっと折り返して……
尾根上に出ます。
段々急勾配になってきました。
右側を巻いて……
折り返して……
また尾根上。
岩道。
06:50 北側の山が赤くなっています。もう日の出予想時刻は過ぎていますが、山に囲まれた大月市街にはなかなか日が当たりません。
歩きづらい場所も所々あります。
06:53 太陽が出てきたような気がします。
07:07 神楽山・御前山分岐着。
神楽山はすぐそこですし、せっかくなので寄ってみましょう。
少し下って上ります。
神楽山
07:09 神楽山着。
地理院地図によれば三角点の標高は673.8mです。
樹木に覆われているのでほとんど見晴らしはありません。枝の間から市街地がわずかに見えるくらいです。
大分息が上がっていたので少し休憩。
神楽山→御前山
07:12 神楽山発。元来た道を引き返します。
ふと左を見ると綺麗な富士山が見えました。今日は富士山見える日!
07:16 分岐まで戻ってきました。そのまま御前山方向へ。
度々富士山が顔を出します。今回猿橋駅からスタートしたのはもちろん富士山が見えるようにするためです。ただし菊花山から大月駅方面へ降りる道は下りだと少し怖いので注意。
ここも右側を巻いて……
折り返します。
登った先は分岐。
御前山は左へすぐ。
07:27 御前山(標高730m)着。猿橋駅から1時間5分でした(コースタイムは山と高原地図、大月市観光協会の地図で共に1時間40分)。
御前山
そこから見える景色はこんな感じです。
南側のパノラマ。
360度全天周。
山頂の全体はこんな感じ。西側(写真奥)に標識と入口があって、東西方向に岩と通路が延びています。
南側は断崖絶壁。
東側は行き止まりです。
北側は樹木が多いのであまり見えません。
富士山をズーム。
2月だというのにずいぶん雪が少ないですね。ジグザグとまるで縫い目みたいな道がくっきりと浮かび上がっています。
まだ時間が早いためか誰もおらず、風も無くそれほど寒くも無かったのでゆっくり景色を堪能できました。
御前山→菊花山
08:01 御前山発。
九鬼山、菊花山の方へ向かいます。
08:04 「大月駅」と書かれた分岐。おそらく右は厄王山奥ノ院経由で猿橋駅と大月駅の中間辺りに出るルートではないかと思いますが、正確なところは不明。無視してまっすぐ進みます。
08:04 すぐその先、道の右には大きい丸太が置いてありました。おそらく上に行くなということでしょう。
08:05 そこから1分ほど進んだ所。ここで真っ直ぐ岩に向かって登ったのですが、これが間違い。
んー? このトラバースの後今ひとつ道がハッキリしません。さらに回り込むのか、それとも岩の上に登るのか。どっちも行けなくはないのだけど……。
岩の上に登ってみましたが、んー、道はどっちだ?
南側は割と断崖絶壁。地理院地図の道は南側を巻いているように見えますが、ちょっと降りられそうもありません。
北側は降りられなくは無さそうでしたが、不用意に降りると戻るのは面倒くさそう。
これはおかしい。
ということで引き返して岩を降りて元の道まで戻ったところ、岩に向かって左手側にちゃんと道がありました。それも丸太で上に行かないように通せんぼしてあります。
何で気がつかなかったんだろう……。
写真を見返してみると、正規の道は緑の葉に隠れていて見えず、丸太は進行方向と同じ方向を向いているので全く通せんぼに見えず、その先も土が露出していて道にしか見えません。これは間違えても仕方が無いですね。変なところを降りず気がついて引き返せたので良しとしましょう。
というわけで岩の南側を進みます。何だ全然普通の道じゃないか。……ちょっと細いですけどね。
この辺りで若い男女のペアや犬を連れた人など計4人ほどとすれ違ったと思います。
08:24 九鬼山・菊花山分岐着。
行き先は菊花山ですが、九鬼山方面へ少し登ったところに沢井沢ノ頭というピークがあるみたいなのでどんなところか見てみることにしました。
急勾配を登っていきます。
08:28 沢井沢ノ頭着。御前山から27分でした(コースタイムは山と高原地図では25分、大月市観光協会の地図では30分)。道に迷ったので少し遅くなったと思ったのですがそれほどでは無かったようです。
眺望はほとんどありません。富士山も見えないようです。
すぐに引き返します。
上りよりも下りの方が急に感じます。
道が枯葉に覆われていて足を置く場所がよく見えません。
08:31 分岐に戻ってきました。菊花山へ向かいます。
急勾配を下ります。砂、小石が多いので注意。
08:48 最低地点まで降りてきました。
枝の間から頻繁に富士山が見えます。
木々の向こうに何となく山が見えます。おそらくあれが菊花山なのでしょう。
なかなか苦しい登りですが富士山も応援してくれます。
街が眼下に見えます。
大きめの岩の段差。ちょっと手を着きました。
山頂の手前で団体さんとすれ違い。
09:08 菊花山着。御前山から1時間7分でした(コースタイムは山と高原地図では1時間25分、大月市観光協会の地図では1時間40分)。
菊花山
菊花山→登山口
09:36 菊花山発。
左右が切れ落ちていて結構怖いです。
樹木も切れて大月の市街地が見下ろせます。
大月駅。
突然見晴らしの良い場所に出ました。樹木が無くなり富士山だけで無く下の街も見えます。
富士山方面に限っては、菊花山の山頂よりもこっちの方が見晴らしが良いと言えるかもしれません。
正面富士山の右に見えるのが高川山、その真後ろにほとんど隠れているのが三ツ峠です。
さて、先に進むことにしますが、富士山方向は断崖絶壁です。降りるには右に曲がるのですが、かなりの急勾配です。
砂も多いので滑らないように注意。足下と一緒に遙か下の住宅地も見えるので結構怖いです。
しかし富士山も頻繁に見えます。
ああ、何度見ても素晴らしい眺め。
まぁ、あまりよそ見をしていると危ないかもしれません。
ロープまで出てきました。
09:56 地図を見るとこの場所は分岐になっているようですが標識は二方向だけです。
よく見ればもう一つ道があるのでしょうか? ぱっと見ではよく分かりませんし、そちらはより難易度の高い道のようなので標識通りに進みます。
この辺りから地理院地図のルートから外れているなと気がつきました。
しかし道はしっかりしているのでこのま進むことにします。
10:11 忠魂碑を通過。
10:16 国道20号に降りました。菊花山から40分でした(コースタイムは山と高原地図では30分、大月市観光協会の地図では45分)。
登山口→大月駅
大月駅は北東の方角ですが歩道がつながっているのか分からなかったのでいったん逆方向の交差点へ向かいます。
富士山もここで見納め。今日はとても良い天気に恵まれました。このまま富士急行線に乗って河口湖へ遊びに行きたくなります。
交差点を右へ。
何か工事をしていましたが、どうやらこの下に富士急行線が走っているようです。
突き当たりを右へ。この辺りには上大月駅という富士急行線の駅があるらしいのですが、目の前を歩いたはずにもかかわらずその存在に気がつきませんでした。大月駅までは600mほどなので、わざわざ180円と待ち時間を費やしてまで乗る必要はありません。
大月市役所ってこんなところにあったんですね。
斜めに駅へ直接向かう道があったのでそちらへ。
10:30 大月駅着。猿橋駅を出てから4時間8分でした。
途中で特急あずさに抜かれるようですが大した差ではありません。
10:40発普通列車高尾行きに乗って帰りました。
感想
駅の近くにあるコースがこんなに楽しいとは思いませんでした。適度にアップダウンがあり、軽い岩地もあり、スリルもあって登りごたえがありました。もちろん富士山完備です。当たり前のようにあちこちから見られます。
大月までであれば自宅からそこまで遠くありませんし、駅から全くバスを必要とせず行けるのは嬉しいですね。
尾根が中央線や富士急行線に沿った形をしているのでどの登山口を使ってもアクセスが良いです(猿橋駅、大月駅、田野倉駅、禾生駅)。運動強度の調整もしやすいですし、冬に衰えた体力を回復させるのにうってつけなエリアでしょう。
手軽ではありますが多少危険な場所もあるので注意しましょう。すぐ北側にある岩殿山も似たような所がありましたが、きっとこの辺りの地質がこのような地形を生み出すのでしょうね。
岩殿山も良い山ですが、現在強瀬登山口や岩殿登山口から登れないので畑倉登山口までの道のりが億劫です。稚児落とし~浅利地区まで歩くと大月駅に戻るのにまた一般道を歩かなければなりませんし。こちらは神楽山、御前山、菊花山と明瞭なピークがあってメリハリがあるのも岩殿山より良い所でしょうか。富士山の景色は岩殿山の方に軍配が上がると私は思います。
何はともあれまだ九鬼山にも行っていませんし、高川山にもまた行かねばなりません。鳥沢駅や梁川駅の近くにも色々ありますし、まだまだこの辺りで山歩きを楽しめそうです。
“駅からすぐの日帰り富士見ハイク 御前山(厄王山)・菊花山” への2件の返信