2022年2月28日(月)、山梨県の岩殿山に行ってきました。
ご無沙汰しております。この冬は寒さに負けて結局ほとんど遠出はしませんでした。しかし2月頭頃からは毎週のように高尾山へ赴き体力維持に努めております。その辺りのことはヤマレコやTwitterで。
季節は少しずつしかし着実に進んで2月末。ようやく暖かくなってきて2月中頃に降った雪の影響も無くなりつつあります。高尾山にも飽きてきましたし、ずっと止まったままになっていた富士見スポット巡りを進めたいということで探して見つけたのが岩殿山でした。
大月駅のすぐ北側にあるアクセスの良い山で、駅からの周回コースだと4~5時間程度と短すぎず長すぎずほどほどの時間でまわれるようです。岩場や鎖場もあり多少スリリングな場所もあるようですがどうなのでしょうか。行ってみることにしました。
天気
本日のルート
岩殿山へ至る登山口は(北西方面を除いて)四つあるようですが、現在駅に近い二つの登山口(強瀬、岩殿)からは山頂へは行けません。崩落等の問題で通行止めになっているそうです。
なので今回は岩殿山の北にある畑倉登山口から登ります。その後西へ進み稚児落し等を見てから浅利地区を経由して大月駅へ戻ります。
手元のスマホのデータ:
距離 | 6.5km |
最高高度 | 632m |
累計高度(+) | 774m |
累計高度(-) | 790m |
コースタイム(休憩無し)は約3時間40分ほどのようです。
(登山道の最新の状況は 大月市観光協会 Otsuki Tourism Association – 体験する – 岩殿山 あたりを参照してください)
中央線で大月駅へ
2022年2月28日(月) 6:24 高尾駅までやってきました。大月行きに乗車。6:30発。
トンネルを抜けて山間部を走る列車。外は青空が広がっています。
大月駅に近づきました。駅のすぐ北側に見えるのが岩殿山です。
07:07 大月駅着。トイレに寄ってから外へ。
改札は南側のみです。岩殿山は北側ですが直接そちらへは出られません。
バスに乗って畑倉登山口へ
予定では歩いて畑倉登山口へ行くつもりだったのですが、ルート検索をしてみたところ一番にバスを勧められました。07:25発のバスがあり、それに乗ると歩くよりも早く登山口に着けるようです。運動不足解消も兼ねているため迷いましたが、楽に良い景色を見に行くというのがこのブログのポリシー。なのでバスを使うことにしました。
畑倉登山口の最寄りバス停は「自動車教習所前」。日影行きのバスに乗れば良いようです。時刻表(路線バス – 富士急バス)によればこの07:25発のバスは平日のみ運行のようです。
ロータリーの駅の反対側、4番乗り場で少し待っていると二つ目のバスが日影行きでした。
7:25大月駅発。
バスは駅の東側で線路を跨ぐと川を越え坂道に入り山の東側を回るように走って行きます。
07:33 自動車教習所前バス停着。大月から8分、運賃は220円でした。
降りたらすぐ目の前が畑倉登山口でした。バス停の標識が見当たらないなと思ったのですが、後でストリートビューで探したらもう少し前にあるみたいです。気を利かせて登山口で下ろしてくれたのでしょうか?
畑倉登山口~鬼の岩屋
意外とちゃんとした登山口です。
カウンターをカチャッと一回押してスタート。
07:34 畑倉登山口発。
最初から結構な急勾配。ふひー!
07:36 唐突に分岐が現れました。
左は「鬼の岩屋」と書いてあります。少し先を覗いてみたところ穴のようなものが見えました。寄ってみることにします。
07:37 鬼の岩屋着。
「落盤の恐れがありますので洞窟内に立ち入らないようにしてください」と書かれています。中はどのくらいの広さなのか外からではよく分かりません。
大月桃太郎伝説というのは 大月市観光協会 Otsuki Tourism Association – 体験する – 大月桃太郎伝説 で紹介されているものみたいです。実は私、猿橋にまだ行ったことがないので歩いてみたいコースではあります。
鬼の岩屋~岩殿山山頂
07:43 鬼の岩屋発。
07:44 分岐に戻って岩殿山へ向かいます。
街を見守るかのような祠。
見上げるばかりの坂道。
先日2月中頃に降った雪でしょうか。北側の斜面と言うこともあってかまだ残っています。カチコチに凍っているのでできるだけ避けて登りました。
後は延々ジグザグ坂道を登っていくだけです。
最後の辺りにはロープや鎖も設置されていました。手すり代わりのようなものでしょう。
08:07 岩殿山山頂着。
富士山は見えますがちょっと枝が邪魔ですね。
634mというのは東京スカイツリーと同じ高さなのだとか。ただ、スカイツリー天辺の標高は636mくらいみたいです。
山頂の様子はこんな感じです。
ここはその昔山城が築かれていたのだとか(岩殿山城 – Wikipedia)。
東の方へも道が続いていたようですが現在は通行止めです。
それにしても枝が邪魔です。
枝に邪魔されない場所がちょうど急な斜面になっていて苦労しましたが何とか写真に収めることができました。
岩殿山山頂~展望台
08:20 岩殿山山頂発。
唐突に広い場所に出ました。富士山が綺麗です。
何よりこの空の青さ。今日は良い天気に恵まれました。
振り返って撮った写真。右(南側?)は用水池(亀が池・馬洗池)と書いてあります。
08:30 西へ進むと東屋が見えてきました。
そこには綺麗な富士山が。
絶景東屋!
柵の近くに寄ってみると……
うわー、すごい眺め!
どうやらここは岩殿山の展望台になっているようです。
秀麗富嶽十二景 八番山頂。
秀麗富嶽十二景とは大月市が選んだ富士山が綺麗に見える場所のことらしいです(秀麗富嶽十二景 – Wikipedia)。これは他の場所にも行かねば。
「八番山頂」の部分に「この先」とシールが貼ってあります。
山頂は先ほどいた場所のことですね。看板が山頂に無いのはなぜなのでしょう。スマホの計測によるとこの辺りは標高600mくらいみたいです。
岩殿山は歴史的な遺構も見所の一つです。
見下ろす大月駅周辺の市街地。
走る電車が鉄道模型のようです。
何よりこの富士山。
大月ってこんなに綺麗な所だったんですね。
富士山の左右に見える山々も綺麗です。
富士山の右手前に見えるのが高川山。実は一回登ったことがあるのですが残念ながら富士山が見えませんでした。またいつか行こうと思います。
その右奥に見えるのはどうも三ツ峠みたいです。三ツ峠には以前行きました。まだ多少雪が残っているように見えます。
富士山の左側に見える山は鹿留山~杓子山付近。杓子山にも以前行きましたが素晴らしい景色でした。
こうしてこれまでに行った山々の位置関係がつながっていくのは登山の楽しいところかもしれませんね。
下の方の眺め。中央自動車道が走っています。断崖絶壁。
東の方の眺め。
これだけ良い天気・良い景色だと降りたくなくなっていまいますが、いつまでも留まっているわけにはいきません。まだ先は長いので出発することにします。
展望台~兜岩~稚児落し
08:55 展望台発。
08:57 ここにも見晴らしの良いベンチがあります。
この先にあった大岩を危険なので撤去したそうです。
といってもどこのことか分かりませんが。というか怖い。
この辺りは古の遺跡を感じさせます。
岩と岩の間に城門を設置したということでしょうか。
階段をずんずん降りていくと分岐(09:05)。
左は通行止め。以前は南側に降りられたようです。ここが通れればもっとアクセスが容易になったことでしょう。
右には「危険」の看板が。
いきなりロープ・鎖が設置されていて身構えてしまいましたが、それほどでもない道が続きます。
09:16 何やら峠のような場所に出ました。
「築坂」という場所で、岩殿城の入口に当たる場所だったのだとか。
ここからは登り基調。
ロープあり。
09:23 左は鎖場、右は林間コースと書かれています。危なそうな所は全部巻き道が用意されているというのが凄いですね。左へ。
鎖場。足場が掘られていますが万が一滑った場合に備えて鎖も使いました。
垂直に近い登り。
左の岩の隙間に足を入れつつ鎖や金具を利用しながらよじ登りました。
09:27 林間コースとの合流点。
09:30 兜岩分岐点。
左は崩落のため通行止め。右の林間コースのみ通行可能です。大月市観光協会 Otsuki Tourism Association – 体験する – 岩殿山 によれば2018年くらいから通行止めになっているみたいです。
ちなみに通行止めになっているこの先はどうなっているのでしょう。狭い足場の道でトラバースした後、ほとんど垂直に登っていく感じ? なかなか大変そう。長らく通行止めになっているところを見ると復旧の見込みは無いのかもしれませんね。ちょっと残念なようなホッとするような。
ともあれ今は右に迂回するしかありません。左手に大岩を見ながら巻いていくのですが結構下ります。
ローブ・鎖が張られた急な下り。ちょっと軍手が欲しくなりました。
振り返って撮った写真。
合流点。当然左は通行止め。
09:42 兜岩の西側に出ました。少し休憩。
09:47 行動再開。
先に鉄塔が見えます。あそこまで登るのかなぁ。
……登ってしまいましたね。
木々の奥にさらに上の鉄塔が見えています。うへぇ……。
ここの鉄塔で左へ。この奥の鉄塔までは行かないみたい。
奥の方に岩壁が見えてきました。稚児落しというのはあれのことかな。
10:10 稚児落し分岐着。例によって左は岩場、右は林間コース(巻き道)になっています。
岩場とは言っても崖に近づかなければ特に危険ではありません。濡れていると滑りやすいとは思いますが、右側を歩けば滑っても最悪の事態は避けられそう。でも他に人がいる場合は要注意ですね。
左側は断崖絶壁です。
すぐに林間コースと合流。
10:18 分岐を通過。
右は「トズラ峠を経て金山民宿村至る 森屋荘80分 河野園80分 山口館110分 宿泊・日帰り入浴OK 西奥山活性化対策委員会」と書かれています。古びているので本当に営業しているのか気になりますね。
10:20 ここが稚児落しのようです。
狭いので場所の雰囲気をお伝えするのが難しいのですが、360度パノラマ写真を撮ったので気になる方はご覧ください。
稚児落しなんて物騒な名前ですが戦国時代の伝説に由来するようです。
稚児落し~浅利地区
10:28 稚児落し発。後は大月駅に帰るだけです。とは言え大分高さがあるので沢山下ります。
富士山が大分隠れてきました。
急勾配をガシガシ下って行きます。
振り返って撮った写真。
鎖やロープもあちこちに設置されていました。
唐突に現れる見晴らしの良い場所。
富士山の頭がわずかに見えます。富士山とはここでお別れですね。
下の方に見える景色が少し里山っぽくて良い感じです。
これ登るのは結構疲れるでしょうね。
あれ、左右とも大月駅。
地理院地図には右の道しか書いていませんが、大月駅は左の方向のはずなので左へ。
11:00 車道に出ました。
浅利地区~大月駅
11:03 浅利公民館前バス停を通過。
次のバスは14:05なのでかなり先ですね。逆に朝ここまでバスで来ることはできそうです。大月駅発・西奥山行きの路線のようです(路線バス – 富士急バス)。
11:04途中にあった花咲山と書かれた分岐。
お昼ご飯は何にしようかな~と検索したところ出てきたお店。ちょうど良い位置にありますが、残念ながら定休日でした。
私、吉田うどんをちゃんとしたお店で食べたことがありません。ちょっと残念。
駅の南側へは跨線橋を渡って行けます。
11:27 大月駅着。畑倉登山口から約4時間でした。
お昼ご飯は駅内のいろり庵きらく。改札内外どちらからでも利用できるので便利です。かき揚げ美味しい。
11:42 大月駅改札。
ちなみにこの二つの電光掲示板の間の隙間は先日時計が撤去された跡だそうです(JR駅から撤去した時計「再設置を」…市議会が決議「サービス低下で信じがたい」 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン)。JRでは経費削減のため駅の時計の撤去を進めているのだとか(“駅の時計”が消えていく? JR東日本が今後10年で約500駅での撤去を計画…その理由を聞いた(FNNプライムオンライン) – Yahoo!ニュース)。なかなか世知辛い話です。
11:46発高尾行きに乗って帰宅しました。
感想
岩殿山は駅からのアクセスが大変良く手頃な時間で周回できるのが良いですね。手前の登山口が通行止めになっていますが、奥の登山口へのアクセスはバスでも可能でした。歩いてもそれほどではないかもしれませんが。岩場・鎖場があると聞いて少し不安でしたが、短い区間ですしロープ・鎖等が沢山配置されていてその上巻き道も用意されているので多くの方にとって問題ないレベルでしょう。ただ、岩が多いのは確かなので雨で濡れていたりすると滑るかもしれません。また、それなりに急勾配な所も多々あるので距離以上に時間がかかることもあるでしょう。
展望台からの眺めは素晴らしいの一言でした。まるで大月の街を見守るかのような富士山が良いですね(実際には富士山から大月の街は見えないでしょうけど……)。
大月駅は乗り換え・乗り継ぎのために何度となく降りている駅ですが、こんなに綺麗な場所だったとは知りませんでした。
今回はまだ春の手前と言うことで花はほとんど見当たりませんでしたが、桜なんかが咲くときっともっと綺麗でしょうね。
この辺り、山梨県の中央線沿線の山は前々から興味があるエリアでした。私にとって行きやすい場所ということもありますし、今後もちょくちょく出かけてみたいと思います。
“駅のすぐそば岩殿山から富士山と大月の街並みを眺める” への3件の返信