2019年8月8日~11日、唐松岳~五竜岳へ行ってきました。
3年前の秋に白馬八方尾根の八方池に行きました。ゴンドラとリフトで楽に行ける絶景スポット。八方池の近くには登山口の看板があり、ここから先は登山装備が必要と書いてありました。ここまで綺麗な場所なのですから、いつかこの先にも行ってみたいなと思ったのでした。
そしてテント泊登山を始めて改めて調べてみるとその先にあるのは唐松岳。難易度は高くなく北アルプス入門としても良く勧められているコースでした。
一緒に五竜岳をまわるコースを紹介している記事もよく見かけました。ただ、こちらは一部岩稜の鎖場を含んでおり、距離も大分伸びるので躊躇しました。
とりあえず情報を収集して「八方尾根~唐松岳(ピストン)」と「八方尾根~唐松岳~五竜岳~遠見尾根(縦走)」の二つのプランを作成。
特に唐松岳~五竜岳でよく見かけたプランでは1泊2日で唐松岳頂上山荘に泊まり、2日目五竜岳まで行ってから遠見尾根で下山するというもの。しかしこれでは2日目の距離、時間が長く心配でした。なので2泊3日にして1泊目を唐松岳頂上山荘テント場、2泊目を五竜山荘テント場としました。それでも心配だったのですが、後は当日唐松岳まで行ってみて天候、体調、その他諸々の状況を見てそのまま帰るか五竜岳まで行くか判断することにしました。
天候判断
梅雨は明けたのですが日本の近くに台風が三つも出現して確実に晴れるという日がなかなかありません。ただ台風は軒並みはるか西側を北上していくルート。今週は台風の一つが通過中だというのにほとんど雨が降りませんでした。これは案外行けるのかも。SCW天気予報を見ても午後に雷雨の可能性があるくらいで他は大丈夫そう。この週末を過ぎるとまた天気は悪くなるようだったので、その前に駆け込みで行くことにしました。
高速バス:新宿→白馬八方バスターミナル
まずは長野県白馬村へ。前回は特急あずさを使用しましたが今回は夜行の高速バスを使用しました。
路線 | アルピコ交通 新宿~白馬線 |
便 | 5517便 |
発 | 23:05 バスタ新宿 |
着 | 05:44 白馬八方バスターミナル |
8/8(木)昼前に当日夜発の空席があったのでhighwaybus.comで予約しました。
そして夜22:15バスタ新宿へ。ファミリーマート バスタ新宿店で飲み物とおにぎり、パンを購入。
発車の10分前くらいにバスが到着して乗車。
23:05定刻通り出発しました。
うーん、となりの席の人の腕が当たる……。それでもできるだけ寝て、談合坂SAと梓川SAで休憩を入れつつ白馬エリアへ。車内の照明がついてカーテンを開けると外は霧で真っ白でした。天気を読み間違えたか?
8/9(金) 05:37定刻より数分早く白馬八方バスターミナル(八方インフォメーションセンター併設)に到着しました。
白馬八方バスターミナルから八方アルペンライン ゴンドラ乗り場へ
八方アルペンラインで一気に雲上の世界へ
ゴンドラの始発時刻は日によって異なります。八方アルペンラインのサイトで確認出来ますが、この日は7:00でした。後1時間ほど。
チケット売り場の左には登山者カードの記入場所がありました。
その奥の階段を下るとトイレ、更衣室、ロッカーがあります。
八方尾根研究路ガイドには水場マークがついていましたがどこのことなのか確認出来ませんでした。トイレの水飲めるのかな? ちなみにこの日私は自宅から水900ml*2(エバニュー ウォーターキャリー900ml)、コンビニで買ったお茶1L、ジュース525mlを用意してきました。
6:10くらいに職員がやってきて列を作り始め、6:27くらいに窓口オープン。
料金は片道大人1550円。提携組織(JAF、モンベル、JIRO、山岳連盟、山岳共済会、労山会)の会員証を提示すると割引になります。ただし、モンベルとJAFは往復券のみで片道券では割引にならないそうです。
唐松岳ピストンなら往復券(3日間有効)になりますが、五竜岳に行く可能性があるなら片道券になります。
15kg以上の手荷物は手回り品持込料440円がかかります。窓口の前で手荷物の重量を量って申告。私は15.6kgで惜しくも重量オーバー。合計1990円となりました。
6:30チケットを買ったら建物右手の乗車口にまわって並びます。
ゴンドラ乗り場の隣には売店(アダムプラザ)がありましたがまだオープンしていませんでした。
少し小腹が空いたので立ちながらコンビニで買ったパンをつまんで朝食。
しばらくするとロープウェイが動き出しゴンドラが次々と登っていきます。心配していた天気も回復して次第に青空が広がってきました。
上からゴンドラが降りてくる頃になったら時刻は7時前。係員に誘導されて乗車が始まりました。
7:00八方駅発(標高770m)。
07:09兎平着(標高1400m)。
周囲を散策したい気持ちを抑えてサッサと次へ。アルペンクワッドリフト(最大4人乗り 7分)に乗ります。
07:11兎平発。うーん、気持ちいいー!
07:20黒菱平着(標高1680m)。
次のリフトとの間には鎌池湿原が広がっています。
秋に行ったときの方が草が少なくて湿原っぽさがよく分かりましたね。
最後はグラートクワッドリフト(最大4人乗り 5分)。
07:23黒菱平発。
07:29八方池山荘前着。
リフト駅を出ると八方池山荘の前に到着します。
標高は1830m。すでに雲上の世界です。
八方池山荘 → 八方池
八方池山荘から八方池までは良く整備されており登山装備が無くても行けるエリアです。
道中1箇所だけトイレがあるのですが、落雷によるポンプ故障のため閉鎖中と書いてありました。唐松岳までここが最後のトイレとなります。
また、ここからは山小屋以外に水場がありません。十分水を持って挑みましょう。
07:35八方池山荘発。
最初から道が分かれているのですが一方は少し分かりづらく右手側に回り込むと尾根沿いに岩が多い道が続いているのが分かります。左手側の道は湿原沿いの木道です。今回は右手側の尾根沿いに登りました。どのみち八方池の奥で合流します。
07:53石神井ケルン(八方山ケルン)標高1974m。
故障中のトイレ。
右手前にあるのが第2ケルン(2005m)、左手奥坂の上に小さく見えるのが八方ケルン(2035m)。
八方ケルン手前の坂。
08:07坂を登り切ると八方ケルン。ここまで来れば八方池は目前。
唐松岳~白馬岳~白馬乗鞍岳が一望出来ます。
道は右(八方池に降りる木道)と左(尾根沿いの道)に分かれるのですが、八方池へは前回降りたので今回はそのまま尾根沿いを進みました。尾根沿いから見下ろす八方池もなかなか綺麗ですので。
08:16第3ケルン(2080m)着。八方池の近くにあるケルンです。
八方池を右手に見て奥へ進みます。少し下ってすぐに登山口です。
08:22八方尾根登山口着。八方池山荘から47分でした。
八方池 → 唐松岳頂上山荘
さて、ここからは初めての道です。とりあえずあの見えている一番上までは登らねばなりません。
振り返って見た八方池。上から見るとまた大分違った印象になりますね。
ずんずん登ります。
少し登ると逆に木が増えていきます。これは下の方が蛇紋岩という地質で高い木が生えにくいために起きる植生の逆転現象なのだそうです。
青空の下で絶景散歩。でも急な登りに日差しもだんだん強くなり徐々に疲れていきます。
09:03扇雪渓着。道が二手に分かれていて左に行くと扇雪渓の下に出られますが結局は右の道に戻ることになります。
休憩したかったのですが日影が少なく暑いので先に進みました。
再び高い木々が無くなりました。この辺りが森林限界のようです。
09:27丸山ケルン着。八方池から1時間ちょっと。八方池山荘から2時間弱。
すごい見晴らし。麓の街まで見えます。
丸山ケルンの標高は2430m。
八方池山荘→第3ケルン(八方池)の標高差は250mなのに対して、第3ケルン→丸山ケルンは350mです。
丸山ケルン→唐松岳頂上山荘の標高差は190m。緩やかな尾根が見えるとおり、ここからはそれほど急な登りではありません。
09:29丸山ケルン発。
左手に見える山が五竜岳。
さあ天辺がすぐ近くですよ!
迂回ルート通行止め。この左側は唐松岳の写真でよく見かけた怖そうな足場の道でした。巻き道なんでしょうか? 今回はまっすぐ登ります。
ピークを越えると突然エッジの効いた綺麗な山が見えてきました。唐松岳です!
唐松岳の左には山荘が見えます。
山荘までのちょっとの下りが辛い。
タンクが沢山。
10:14唐松岳頂上山荘着。八方池山荘から2時間39分でした。
唐松岳頂上山荘のテント場
テント場の受付は山荘入口を入ってすぐ右側の売店で行います。
1人1泊1200円。トイレは料金に含まれており、山荘入ってすぐ正面の綺麗なトイレが使えます。
テント場(唐松岳キャンプ場)は唐松岳頂上山荘の下の斜面にあります。
幕営可能箇所は山荘からジクザグと降りたキャンプ場と書いてあるところより下。岩をかごで囲んでいるところの下は危ないので張らないでくださいとのことでした(しかし、わりと張られていたような……)。
山荘より一段降りたところ。設営出来るのはもっと下です。
降りてすぐに唐松岳キャンプ場と書いた標識があります。しかしこの辺りはまだ細い道。張れるのはもっと下です。
まともな場所としてはほぼ最上段にまだ空きがあるようだったのでそこに設営しました。
少し散策。一番下まで行くのはなかなか大変です。
テント場の下の雪渓からは雪解け水が流れており煮沸すれば飲めるらしいです。
山荘売店では、天水、お湯、お茶を量り売りしています。
また山荘入口にある自動販売機で冷えた飲み物も販売していました。
昼食の提供は11:30より。宿泊者以外は外で食べることになるそうです。カレーと中華丼がありましたが数が少なくすぐに無くなってしまいます。カップヌードル(お湯、割り箸付き)も販売していました。
携帯電話ですが、ドコモはテント場からでも繋がりました(4G)。
唐松岳で過ごす
昼前の唐松岳は曇り
唐松岳頂上山荘から唐松岳山頂まではコースタイムで登り20分、下り15分程度です。
11:18テントを設営し終わったのでお昼ご飯の前に唐松岳へ出発。
11:35唐松岳着。うーん、天気悪い。特に富山の方向が真っ白。
山荘方面。
八方尾根の左手(北側)の沢(唐松沢?)には綺麗な雪渓が続いていました。
それでも雲が多くあまり見晴らしが良くないので早々に降りてしまいました。
11:53唐松岳発。
12:09唐松岳頂上山荘着。すぐに売店へ向かいました。
昼食はカップヌードルとコーラ
売店は少し混んでいました。
目の前のお客さんと店員さんの会話が聞こえました。
「カレーはこれで最後ですね」
「あー、良かった」
店員さんに聞いてみると食事はカレーも中華丼も全部売り切れたとのこと。
は、早すぎる……。見るとカレーの方は10杯限定と書いてます。
仕方ないのでカップヌードル(500円!)を購入しました。お湯を入れて割り箸を付けてくれます。暑いので自動販売機で冷たいコカコーラ(400円!)を購入。なんともちぐはぐな昼食になってしまいました。
う、お湯がぬるくてちょっと固い……。
食べ終わった容器は売店の方で回収してくれました。
もう一度唐松岳へ
12:30 食べ終わってみると唐松岳方面の雲が取れて青空が見えるようになっているではありませんか。
うーん、やることも無いしもう一度行くか……。
12:50 再び頂上。さっきよりは大分マシです。
でもしばらくするとやっぱりまた雲が増えてきたので戻りました。
暑いテント場
自動販売機の冷たいアクエリアス(500円!)。
強い日差しに照らされたテント内は30度以上。とても長時間中にいる気にはなれません。かといって外も暑いですし逃げ場無し。
自動販売機の冷たいミネラルウォーター(300円!)。
とはいえ夕方になってくると雲で日が遮られる時間が長くなり少しはテント内の温度が下がってきました。
16:28 テント内25度。
テント内の整理をしたり、横になってスマホでネットを見たり。
唐松岳から見る夕日
17:40頃。そろそろ太陽が唐松岳に近づいてきました。日没が近いようです。山荘の裏に登って八方尾根側の景色を見た後、夕日を見るために再び唐松岳頂上へ向かいました。
夕食
夕食はコンビニで買ったおにぎり二つと自宅から持ってきた味噌汁、魚肉ソーセージ等。テント場の隣の人がすでに寝ていたのであまり音を立てられませんでした。
就寝
20時頃就寝。雲が多かったので星は諦めました。
起床
4時半頃起床。となりの人はもっと早くに起きてゴソゴソテントの撤収をしていたので実際にはもう少し前に目は覚めていました。
朝食はクノールカップスープとコンビニで買ったパンの残り等。
予定より早く起きてしまったのですが、私も早々に片付けて五竜岳に向かうことにしました。早い時間に出て慎重にゆっくり歩けば何とかなるでしょう。
フライシートは結露でぐっしょり。タオルで多少拭き取りましたがほとんどの水分は残ったまま無理矢理畳みました。乾くまで待つ時間できっと五竜山荘に着いてしまうでしょう。
6:22なんとか片付け完了。テント場を出発。
唐松岳頂上山荘 → 五竜山荘
さて、縦走です!
唐松岳頂上山荘(2620m)から五竜山荘(2490m)への道のり(昨日撮影しました。雲が多くて少々見づらいですが……)。
出発してすぐに牛首を越えてどんどん下り、大黒岳を越えたところが最低鞍部。そこからは上りで五竜山荘まで。こうして遠目に見ると近そうに見えるのですが果たして。
唐松岳頂上山荘から見える牛首と五竜岳。
6:30唐松岳頂上山荘発。
半日ぶりに背負うザックはずっしりと重く、歩くとふらっとバランスを崩しそうになります。こんなんでこの先を乗り越えられるのでしょうか。ベルトを調整。ゆっくり慎重に歩みを進めます。
すぐに牛首と呼ばれる岩場、鎖場に。
ぱっと見確かに怖いのですが、近づいてみると案外怖くないといいますか、足場には困りません。むしろ鎖が邪魔なくらい。でも足を滑らせたら終わりなのでついつい岩にへばりつくようになってしまいました。
こういう降りるところも案外傾斜があってまっすぐ切れ落ちている感じではないので怖くありませんでした。ただ、座って足を下ろそうとすると背中のザックが地面に引っかかってそのままつんのめっていきそうになるのが怖かったです。大きく重いザックを背負っているので何かにぶつかるとその反動で体を持って行かれそう。
右側が切れ落ちている特徴的な鎖場。横に滑り落ちそうで怖いですが取り付いてみると案外それほどでもなく。
ザックを置いて少々休憩。
逆から来る人に向けた「これより岩場」の標識。ということは岩場を抜けたと言うことですね! ここまでですでに1時間以上が経過。あれ、最低鞍部まで1時間だったような……。
普通の道になりました。五竜岳がよく見えます。
下に見えるのが最低鞍部でしょうか?? 転がるような下りきっつい。
いや、左奥まだまだ下がってますね。大黒岳もまだですし。
少し上り返して08:02大黒岳(石塔)通過。あ、あっつい……。
ようやく下に見えたのが間違いなく最低鞍部ですね。
08:12最低鞍部着。唐松岳頂上山荘から1時間44分と大幅にコースタイムをオーバーしていました。終始発汗している感じで汗だくです。08:15発。
気持ちの良い登り! でも足下がジャリジャリしてて歩きづらい。
斜面にまっすぐ切られた道を登って山の裏手に回り込むとすぐ裏に五竜山荘がありました!
09:03五竜山荘着。最低鞍部から48分。唐松岳頂上山荘から2時間35分でした。なぜか登りの方が圧倒的に速い。
五竜山荘テント場で設営
売店で受け付け。幕営料1200円。冷たく冷えたポカリスエット(500円!)。
まだ昨日からのテントが残っている状態。どこに張ろうか迷います。今日は混雑が予想されるので詰めて張ってくださいとは言われましたが、テントの出入り口が横(長辺)なので迷いますね……。
数10cmの段差に区切られた一張り分くらいのスペースがあったのでそこにしました。
09:44テント設営完了。
これから登る五竜岳が見えます。
水は消毒済みの天水が1L100円。備え付けの料金箱に支払います。
トイレは山荘左手の奥にあります。
五竜岳
設営も終わったので五竜岳へ。
突発的な雨の可能性もあるのでレインウェアを持っていきますが、鎖場があるらしいので手で持つのは不安。ザックを空にしてレインウェアだけ入れました。アタックザック欲しい。
09:56五竜山荘発。
鎖は付いていますが先ほど通った牛首ほどではありません。
ただ、思ったよりも距離があるので疲れます。
ここが一番インパクトのある鎖場でしょうか。でも近づいてみると段々になっているのでそれほど困りません。
山頂標識かな、と思いきや。
五竜岳頂上はもう少しだけ奥。
11:01五竜岳頂上着。1時間5分。ほぼコースタイムでしょうか。
五竜山荘からの道のりが途中まで見えます。
唐松岳から五竜山荘までの道のりも一望出来ます。こうして見ると近いんですけどね……。
山頂はそれほど広くありませんし、日差しが照りつけて暑いので早々に降りることにします。
11:09五竜岳頂上発。
岩場の下りもそれほど難しくはありませんでした。
ただ、そこからのダラダラ下りが辛い。照りつける日差しに水は無く、発汗が止まり、荒い呼吸は止まらず。足も痛く踏ん張りが効きません。親指が内出血しているのはもう見なくても分かります(毎回のことなので)。左足のかかとの上が擦れておそらく皮が剥けているでしょう。
傾斜はそれほどでもないと思うのですが踏ん張ることが出来ない足には相当辛いくらいには斜度があります。10cm程度の段差でもカニの横歩きのように足を下ろさないとならない始末。
ハァハァ言いながら小さな歩幅で一歩一歩ゆっくり歩かざるを得ませんでした。山荘はもう見えているのに遠い。
12:26なんとか五竜山荘着。五竜岳頂上から1時間17分。登りよりかかりました。これは明日が思いやられます。
五竜山荘テント場で過ごす
ちょうどお昼時。唐松岳頂上山荘のときのように食いっぱぐれたくないので売店に直行します。チャーハン(スープ付き)700円。売店でチケットを買って食堂で渡します。混んではいませんでしたが出来上がるまで少し時間がかかりました。
うーん、スープが乾いた体にありがたい。
13:08食べ終わってテントへ。
例によってテントの中は暑くていられません。
1L100円の天水を購入。ファミリーマートで買ったお茶のボトルがちょうど1Lだったのでそれに詰めました。この天水、消毒済みらしいのですが飲めるんだか飲めないんだかいまいちよく分かりません。平気で飲んでる人もいるようなんですが、売店で以前天水飲んで腹を下したなんて言っている人もいました(そういう人は300円でペットボトルの水を買ってくださいとのこと)。建前上は煮沸推奨、実質的にはそのまま飲んでる人が多いのかなと感じましたが果たして。塩素消毒していれば大丈夫なんだとは思いますが……。とりあえず料理に使うために購入。
それとは別に売店で冷たいスプライトを購入。山荘のベンチに座って景色を眺めながら飲みました。
喉が渇くので天水を使ってクノールカップスープを作成。今回めずらしくお茶のティーバッグを持ってこなかったのを後悔しました。煮沸したお湯で飲めるものを用意すべきでした。
テント場から見える景色。
こちらは遠見尾根の方向。明日はこれを下っていかなければなりません。結構険しそうに見えるんですが……。
山荘から五竜岳方面の景色。テントは登山道のみならず山荘の裏まで張られていました。
少しだけ遠見尾根方向へ歩いてみました。五竜山荘の裏には白岳という小さな山があります。
唐松岳方面。今日はここを歩いてきました。左上に見えるのが唐松岳ですが、その右下に丸い雪渓が。テント場の下の方にあったあの雪渓ですね。雪渓の右側にはわずかにテントが見えます。
しばらく写真を撮りましたがダイナミックに流れる雲に邪魔をされてなかなか思うようにいきませんでした。
諦めてテント場へ。やっぱり下りが辛い。足痛い。
17:47 水漬けスパゲティ+キューピーあえるだけボンゴレビアンコ。うーん、もう少し水を多めにしてゆで時間を多くした方が良かったかも(生煮え)。
夕方になるとテントの中も温度が下がるので寝そべって休めます。かなり疲れてます。筋肉痛もあり。
18:30~19時頃。夕日は山荘から見られました。
月が邪魔ですが星空が期待出来そうな良い天気。しかしそんな元気はありませんでした。もう寝たい。疲れた。Zzzzz。
4時過ぎ起床。良い天気。すでに五竜岳へ出発して山頂からご来光を見る人もいるようです。私はテント場から。
うっすらと光の柱。
遠見尾根方面。
5時頃日の出。
朝食は尾西のアルファ米ピラフ。
07:23テント撤収完了。今日は起きてすぐに徹底的にタオルで拭いてフライシートの一部をめくって風が通り抜けるようにしておいたところ水気がほぼ気にならないくらいに乾かすことが出来ました。
五竜山荘 → 遠見尾根で下山
07:28 五竜山荘発。
さらば五竜山荘。
遠見尾根と唐松岳方面との分岐。
これから歩く道が見えますが、結構アップダウン激しそうです。
「これより岩場」の文字にビクビク。
でも全然たいしたことありませんでした。
絶景なんですけどこの裏はどうなってるんでしょうね……。
後ろ向きになって鎖を手に下りている人が。え、そんなに急な下りなの!? と思って近づいてみたらそれほどでもなかったので鎖の横を座るような感じでサクサク下りました。
でも振り返って見ると結構な高さですね。谷川岳を思い出しました。
尾根沿いの道がはっきり見えます。うぇぇ、こんなに下るんだ……。
階段もメチャクチャ急です。ずんずん下ります。足痛い……。
下った後の登り返しが丸見えなのがつらい。
まぁ、でも上りの方が足痛くならないし……。
08:37西遠見着。暑い……。
09:03大遠見着。この辺りで持っていた水は全て飲み干してしまいました。
09:07大遠見発。
あそこまで下ってまたあそこまで上るのか……。巻き道だったら良いけど、そんなわけないよねー。
き、きつい、汗が出なくなって手や顔がピリピリしてきました。ハァハァ。
09:49中遠見着。
せ、狭い。人多い。暑い! 日差しを遮るものなし。休憩するなら他の日影があるところが良いです。でも息が上がってもう歩けない。ザックを下ろして少し休憩。
09:53中遠見発。暑い。こんな所にはいるよりは日影を探して休みたい。
小遠見山も登り返しか……と思っていたら 10:25五竜登山口。左右に道が分かれています。地図を見ると小遠見山を迂回する巻き道があるようです。当然迂回。
パラグライダーがいっぱい飛んでいます。
見返り坂標識。10分ほど休憩。
まだまだ下ります。イタイイタイ足イタイ。
分岐。案内図を見ると「地蔵の沼」の方が平坦らしいのでそちらへ。
あちこちで見かけた花の名前が分かりました。
11:55リフト乗り場通過。
リフトに乗ると登り返さないといけないとどこかで読んだので乗らずにゴンドラ乗り場(アルペン平)へ向かいましたが本当に足が痛い。下りながらリフトの行き着く先を見るとアルペン平からそれほど離れていないような気がします。リフトに乗った方が楽だったかも?
12:14 白馬五竜テレキャビン アルプス平駅着。
自動販売機めがけてまっしぐら。み、みず~!
ベンチのテーブルに突っ伏して水を飲み荒い呼吸を落ち着かせるのに10分はかかかりました。
12:25落ち着いてから建物2Fのアルプス平駅へ。
大人片道1000円。こちらは手荷物料金はかかりません。
12:30 白馬五竜テレキャビン アルプス平駅発。
冷たいおしぼりのサービス。これは嬉しい!
景色を見るのもそこそこにhighwaybus.comで帰りのバスを検索。14:27白馬五竜バス停発新宿行きにまだ空きがありました。白馬五竜→中央道日野で4800円。予約&決済。
12:41白馬五竜テレキャビン とおみ駅着。
エスカルプラザで昼食&入浴
とおみ駅を出て左手目の前にあるのがエスカルプラザという施設です。
12:45 フロントで白馬五竜バス停への行き方を聞くと無料の送迎バスを案内してくれました。14:15発の送迎バスに乗れば良いとのこと。まだ時間があるのでとりあえずお昼ご飯に。
レストランで本日のランチ。葱トロいくら丼1260円。
なんとこの施設には温泉まであるのです。あまりにも汗だくで不快なのでサッと汗を流すことにしました。
13:18 白馬姫川温泉 竜神の湯。入浴料650円。レンタルバスタオル200円。フェイスタオル購入100円。
湯上がりにレストルームの自販機でお茶を購入……したらショートサイズでした……。
フロント前。こちらにも自動販売機があります。
バスで飲むものを購入。
玄関前は各種バスの発着場にもなっています。
無料シャトルバスの時刻表。高速バスや電車に合わせて時刻が設定されているようです。フロントに乗り継ぎの表があるのでスタッフに聞くと乗るべき時刻を教えてくれます。
こちらは有料の白馬シャトルの案内(HAKUBASHUTTLE.pdf)。
14:15エスカルプラザ発。乗ったのは私一人だけでした。
白馬五竜バス停から中央道日野へ
14:19白馬五竜バス停着。このバス停を利用するのは初めてですが、以前栂池からの帰りに停車したのを覚えています。日差しが強いので待合所の中でバスを待ちました。
14:30白馬五竜バス停発(3分遅れ)。
安曇野インターに入るまでに渋滞、勝沼で事故渋滞、その先も渋滞。
21:18中央道日野バス停着。予定が18:55なので実に2時間23分遅れ、所要時間4時間28分のところを6時間48分もかかりました。ここまで遅れるとJR普通列車の方が良かったのでは? といつも思いますが、結果論ですね。
感想
というわけで念願の唐松岳、ついでに五竜岳まで行ってしまいました。やはり北アルプスは絶景ですね。
台風を警戒して雷雨くらいは覚悟していたのですが、結局全く雨に降られず3日間の山行を終えることが出来ました。むしろ天気に恵まれすぎて暑さにやられてしまった感じでしょうか。
後半水が十分でなかったのは大問題でした。あれだけダラダラと汗が流れ続けているのに水分を補給出来なければ汗が止まるのも無理もないことです。汗より血液など他の体液の方が重要でしょうし。後は空気で冷やすしかないでしょうし荒い呼吸がずっと止まりませんでした。熱中症に近い状態になってしまっていたかもしれません。考えてみればこれまでの山行では水に困ることはほとんどありませんでした。短時間であれば多少水が不足しても乗り切れますし、上高地~涸沢などは水が豊富でいくらでも給水出来ました。谷川岳はちょっと危なかったかな? でも山小屋泊で用意してくれましたしやっぱり短かったので。今回の山荘は両方とも水が有料だったので少々ケチってしまいました。2泊の縦走ではとにかく水をしっかり確保することが大事だなと思いました。それにしてもこの季節山小屋には沢山の登山客が訪れるわけで、その人たちが必要とする水の量というのは合わせるとかなりのものになるはずで、それを確保しておいてくれるというのは実は凄いことなんだなと思いました。そりゃ山荘の裏に沢山タンクがあるわけです。
そして足の痛み。トレーニングもせずこの夏初めての登山。普段ろくに歩きもしないにわか登山者が行くにはこのくらいが限界だなと思い知らされました。それとやっぱり靴が合っていない気がどうしてもします。この靴は去年新しく購入したのですが、ショップで店員と延々いろんな靴を試したあげく何が良いのかよく分からなくなった頃に時間が無くなって慌てて購入してしまった、それも適正と思われるサイズの在庫が無かったのでワンサイズ下のサイズにしてしまったという経緯があります。そのときはこれでも大丈夫だと思ったのですが、いざ履いて歩いてみると親指の爪は必ず内出血。左足のかかとの上、足首の下あたりが擦れて痛くなる。そういう症状にずっと悩まされてきました。買ったばかりだと我慢してきましたが、今回くらいの長さになるとそれも限界です。自分にフィットする靴をまた探してみようと思います。
ここまでの疲れになるとさすがに山を十分に楽しめなくなる気がします。星も見たかったのですがその余裕が無かったのは残念です。
今年はもっといろんな所に行こうと思っていたのですが、ちょっと自信が無くなってしまいました(元々無いけど)。もう少し慎重に行くところを考えたいと思います。信州 山のグレーディングによれば唐松岳は3B、五竜岳は5C、唐松岳~五竜岳縦走も5Cとなっています。うーん……。
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