2021年10月02日(土)~04日(月)、涸沢へ行ってきました。
この夏は怪我でどこへも行けませんでしたが、前回八幡平、三ツ石山、那須岳と巡ってすっかり回復したようでした。
そしてこの時期、このところ毎年行っているのが涸沢カール。2018年、2019年、2020年と三年連続で行っています。毎年行くと決めているわけではないのですがいつ行っても損は無い場所ではあります。他に行くところも思いつきませんし、何度も歩いてよく分かっている登山道。回復後最初のテント泊にはちょうど良い場所でしょう。
ただ四年連続となるとさすがに新しく書くことも少なくなります。登山道の様子などについては過去の記事を参照してください。
上高地へのアクセス
登山道の様子は毎年ほとんど変化はありませんが、交通については今年ちょっとした変化がありました。
まず、松本~上高地間のバスに予約制が導入されました。
松本から上高地へ向かう直通バス(新島々で乗り換え不要のバス)がナショナルパークライナーとして予約制になりました。特に問題になるのが朝一番のバス。これまで松本から一番早い時間に出発するバスは5:30発の直通バスでした。このブログでも何回か並んでいるところを紹介したことがあります。それが時間はそのままで予約制になりました。今回いつものように松本前泊して朝一番の便に乗ろうと思ったのですが残念ながら満席で予約出来ませんでした。これまでならバスターミナルで並べば乗せてくれたのですがそういうわけにはいかなくなったようです。
電車とバスを乗り継ぐ便はこれまで通り予約不要です。仕方が無いので今回はこの方法で行くことにしました。
そして帰りの便、上高地発のバスは全て予約制になりました。これまでも上高地バスターミナルで整理券の発行が必要でしたが、それが予約制に移行した形です。
【松本~新島々~上高地線】上高地発便の予約制(便指定制)について | アルピコ交通株式会社
どちらもバスターミナルの窓口の他、発車オーライネットという予約サイトで予約出来ます。
次に、8月の大雨で橋梁が傾き電車が通行できなくなったため、上高地線の一部の区間でバスによる代行輸送を行っています。8月16日~10月7日の間は松本駅~新村駅間が、10月8日以降は松本駅~渚駅間がバスによる代行輸送区間となっています。代行バスの松本駅での発着場所はいつものバスターミナルではなくアルプス口(西口)です。アルプス口を出発したバスは各駅の近くを経由して新村駅(10/8以降は渚駅)に行き、そこで新島々駅行きの電車に乗り換えることになります。
というわけで、今回は新宿発のさわやか信州号も含めて予約が一切取れなかったので、早朝に自宅を出て徳沢で一泊し、次の日に涸沢へ向かうことにしました。去年も書きましたが次行くときは北穂高岳へ登りたいと思っていたのですが体力的に今年も無理そうです。サッと涸沢に行って一日ゆっくりしてから帰ろうと思います。
上高地へ
2021年10月2日(土)、立川駅5:24発の大月行きに乗車。大月で甲府行きに乗り換え、甲府で松本行きに乗り換え、9:18松本駅に到着しました。
松本駅の改札を出てすぐの所にある券売機で上高地までのきっぷを購入。2710円。ちなみにナショナルパークライナーは2570円ということなので、それに比べると少しだけ割高です。過去の記録を確認したところ松本~上高地の往復券は2018年は4550円、2019年は4650円、今年は往復券の販売はありません。いずれにせよかなり値上がりしたと言って良いでしょう。
お城口の方向にあるNewDaysで買い出し。おにぎり等を買い込みます。
その後アルプス口(西口)へ。8月の大雨で西松本~渚間にある橋の橋脚が傾いたため、上高地線の松本~新村間ではバスによる代替輸送を行っています。乗降場所はアルプス口(西口)のロータリー内にあります。いつもの松本バスターミナルではありません。
9:28 代行バスの乗り場着。次のバスは9:54発なので少し時間がありますが並んで朝食のおにぎりでも食べながら待つことにします。
クラブツーリズムのバスがバス乗り場の前に止まっていた関係で少し遅れて9:54代行バスが到着。9:57頃松本駅発。
10:24新村駅着。電車に乗り換えます。
そこからはいつも通り電車で新島々へ。
10:42 新島々駅着。
上高地行きのバスに乗り換え。
10:50 新島々駅発。
11:44 上高地バスターミナル着。
上高地~徳沢
小腹が空いたので売店で売っているおやきを購入。つまみながら出発しました。
11:47 上高地バスターミナル発。
11:53 河童橋通過。良い天気です。
小梨平のトイレ付近を通ったときに見慣れぬコンテナを見かけました。こ、これは噂の対クマ用の食料庫ではないでしょうか? 昨年キャンプ場で女性がクマに襲われたのを機に導入されたらしいです。
小梨平キャンプ場には以前泊まりました。良い所なので機会があればまた泊まりたいと思っています。5~6月頃にテント泊+ウォーキングくらいが出来ると良さそう。
クマと言えば、今「クマにあったらどうするか―アイヌ民族最後の狩人」を読んでいてなかなか面白いです。上高地に出るのはツキノワグマであっちはヒグマですけど。
12:30 明神館通過。
13:07徳沢園着。上高地バスターミナルから1時間20分でした。
徳沢キャンプ場で泊まる
早速徳沢園の玄関でキャンプの受付。大人一人一泊1400円。2019年に泊まったときには700円でしたから一気に倍になりました。それでも1000円が2000円になった涸沢よりはマシでしょう。元々が少し安すぎでした。
場内は前回よりは埋まっていましたが、混んでいるというほどではありませんでした。
すでに張ってある所のお隣、それでいて木陰になる所に設営。
張り終わったらみちくさ食堂へ行ってお昼ご飯。
カレー950円。
夕食も予約しようと思ったのですがカウンターの上にメニュー札が下がっていません。聞いてみたところ、今年は外来の夕食はやらず、代わりにテイクアウト容器を使ったお弁当を販売するとのこと。メニューはカレーライス、大盛りカレーライス、おでん、ライスの四種類。すでにお昼ご飯としてカレーを注文してしまったのでおでんとライスを注文しました。前回はおでん定食ということで小鉢も着いているセットでしたが、純粋におでんとご飯のみだそうです。岩魚夕定食もありません。残念。来年以降はどうなるのでしょうね。
食べ終わったらテント内でのんびり。
Kindleで本を読んだり動画を見たり。今回はモバイルバッテリーを四つも持ってきました。ここ徳沢では松本市のフリーWi-Fiにも接続できます。
そういえば前に泊まったときに椅子を持ってくれば良かったと思ったのをすっかり忘れていました。椅子でなければレジャーシート的な敷物か何か。そういったものがあればテントの外で過ごしやすくなります。徳沢には椅子の代わりになりそうな岩が転がっていないので。
17:45 みちくさ食堂に行って夕食を受け取り、外のベンチで食べました。食べ終わった容器は回収してくれました。
テントは少し増えましたが、やはりそれほどびっしりという訳ではありません。
テントにぶら下げているライトは今年から使用しているコールマン ハンギングEライト LED。コンパクトなので透明なペンケースにヘッドライトと一緒に入れて持ち運んでいます。すっかりお気に入りです。
テントの中でネットを見ていると、外から天の川が見えるとの声が聞こえてきました。
おやおや、まだ19時ですがもう見えますか、と外に出て星空鑑賞。天頂付近には天の川とそれに沿って飛ぶはくちょう座、両脇に織り姫彦星。夏の大三角形が輝いていました。
10月2日の月齢は25.1。月没が15:25、月出が翌1:44なのでなので月は出ていません。天気も良く絶好の星見日和。
20~21時頃、テントに入って寝ることにしました。明日は夜明けとともに涸沢へ向かいます。
徳沢~涸沢
2021年10月3日(日) 朝4時起床。寝袋にくるまりながらコンビニおにぎりで朝食。
外はまだ真っ暗ですが徳沢の朝はすでに動き出しています。ゴソゴソと出発の準備をする人たちが沢山居ました。私もヘッドライトを付けて片付けを開始。
それにしてもものすごく寒いです。夜、寒くて何度か目が覚めたくらいです。
フライシートも結露でぐっしょり。タオルで拭こうとしましたが冷たくて絞るのが苦痛でした。そして5時に近づくと拭っていた水が突然シャーベット状に。タオルも布と布が凍って張り付くようになりました。気温は氷点下に達しているようです。
水気を取るのは諦めてフライシートはビニール袋に入れ、インナーを畳み、裏面がぐっしょりなグランドシートも畳んで袋に入れてパッキング。
5:26片付け完了。
徳沢~涸沢
5:27徳沢キャンプ場を出発しました。
6:17 横尾着。徳沢から50分。徳沢~横尾間はどうにも疲れますね。アップダウンはほとんど無いのにダラダラと距離だけはあります。トイレに行ったりして少し休憩。
6:27 横尾発。
横尾大橋から見える川上側のテント場。川下側は結構ギッシリでしたがこちらはかなり空いています。すでに出発した人が多いのか元々空いていたのかは不明。もしこれだけ空いていたのなら私も横尾で泊まっても良かったかもしれませんね。
去年はこのあたりの紅葉が綺麗でしたが、今年はまだまだここまでは降りてきていませんね。これは上の方が楽しみです。
7:18 本谷橋着。
いつもはここで一息入れるのですが、今年は休まず先に進もうと思います。左にぐーっと曲がる見晴らしのところで休もうと思います。
7:45 休憩ポイント着。横尾本谷と涸沢が分かれていくあたりです。
右手には横尾本谷が見えます。その先、裏側には槍ヶ岳があるらしいです。
7:55 行動再開。さあ、ここから紅葉が綺麗になっていきますよー。
日向と日影の明度差が大きくてあまり綺麗に撮れていませんが肉眼ではどこもかしこも綺麗です。例年より早い時間に通過しているのでこのあたりはまだ日影の時間なんですね。
奥に見える穂高。涸沢に来たって感じがしますね。
8:24 Sガレ通過。
8:39 沢の近くに出ました。残念、今日は水が流れていません。
涸沢への道中ではこの辺りの景色が毎年一番心躍りますね。紅葉だけで無く地表の沢の様子や何より奥に見える穂高が合わさって本当に綺麗です。ついつい足が止まってしまいます。
09:03 涸沢分岐通過。右へ曲がりテント場へ直接出ます。
真っ赤に染まった綺麗なナナカマド。
9:13 涸沢野営場着。徳沢から3時間46分でした。
涸沢で過ごす
テントはいつも通り中央通路の2段くらい下に設営。時間も早くまだたっぷり場所は空いていました。ただ、周りを見ると変なところに張っているテントも目に付くので、前日(土曜日から日曜日にかけて)は混雑していたのかもしれません。
涸沢野営場受付。今年から幕営料金は大人一泊2000円へと大幅に値上がりしました。連泊してテントを置いて上に登るような場合には財布に響きますね。
本日のテントの受付時間は14:00~17:00。
地震による落石に関する注意書きもありました。
コンパネの値段は据え置きのようです。
そして定番の涸沢ヒュッテからの景色! 今年はまだ手前の紅葉が残ってくれていました。去年は完全に葉が落ちていて寂しかったので。
手前の葉は残っていますが、その少し後ろは既にハゲてしまっているんですよね。不思議です。
9:59の気温は約10度。
おでん(1000円)を購入。ここのおでんを特徴付けているのは大きなジャガイモではないかと思います。
続いて涸沢小屋の方にも行ってみましょう。
10:42 涸沢小屋着。
ソフトアイス。
もつ煮。
食って景色を見てのんびりするくらいしかやることはありません。
涸沢は素晴らしい場所ですがデータ通信がほぼ繋がらないのが玉に瑕ですね。時々短時間だけ繋がることもありますがすぐに切れてしまいます。電話はデータよりは繋がりやすいようですが。通信環境さえ良ければ良い天気が続く限りいくらでも滞在したいです。
今回テントは谷側に向けて張ってみました。中から紅葉を見下ろしつつ遠くは大天井岳の方向まで見えるのでそれはそれで良いのですが、どちらかと言えばいつものように穂高の方に向けた方が良かったかなと思いました。
14:00になったのでテントの受付。2000円也。
14:30過ぎ。この時間になると太陽は山の陰に隠れてしまいます。
夕方になるとテント場の受付が閉まりスタップが何やら箱を抱えて涸沢ヒュッテの方へ走っていきました。
ピーク時は1000張りになるそうですから、一日最大200万円もの売上げになります。パノラマ売店では高額の飲食物が飛ぶように売れていくわけですからこの売上げも相当なものでしょう。本当に凄いところだと思います。
17:56のテント場。
18:01のテント場。
20~21時。
奥穂の後ろから立ち上る天の川は秋の涸沢の定番ですね。
下山
2021年10月4日(月) 5時過ぎ起床。
気温はそれほど低くなりませんでした。温かくも冷たくもない弱い風が吹いていてテントも全く結露しませんでした。
日の出の時間には沢山の人がモルゲンロートに注目していましたが、今日はそれほど赤くなりませんでした。
朝の一杯、カップスープ。
朝食はラーメン。
6:45 テントの片付けを開始。
7:13 片付け完了。
涸沢ヒュッテからの眺め。うーん、名残惜しい。
名残惜しいので360度パノラマ写真を撮る。
7:31 涸沢ヒュッテ発。
7:55 Sガレ通過。
8:34 本谷橋着。
8:37本谷橋発。
9:23 横尾着。
9:35 横尾発。
10:12 新村橋通過。
10:23 徳沢着。
定番のコーヒーソフト。
ここで帰りのバスを検索したのですが、上高地発の新宿行きが軒並み1万円越えの値段を付けていました。それだったら松本からあずさに乗って帰った方がマシですね。
となると今度は上高地発新島々行きのバスを予約しなければなりません。2021年は上高地発のバスは全て予約制になっています。
【松本~新島々~上高地線】上高地発便の予約制(便指定制)について | アルピコ交通株式会社
予約サイトにアクセスして13:20発のバスを予約。松本までの料金2710円をカード決済しました。
予約時点では残席数はまだありましたし、搭乗時には2号車も出ていました。予約はそれほど取りづらそうには見えませんでしたが、月曜日ですし土日がどうなのかは分かりません。整理券の代わりという位置づけで必要に応じて号車を増やしてくれるなら、予約が取れず帰れないということはおそらく無いと思うのですが……。
10:48 徳沢発。
11:26 明神館通過。
11:55 小梨平食堂着。
山賊焼き定食1250円。
梓川沿いを歩いて河童橋へ。
相変わらず水がものすごく澄んでいます。
12:36 上高地ビジターセンター。実は私このビジターセンターに入ったことがありませんでした。時間があるので中に入って見学。中はそれほど広くありませんが、展示されている北アルプスの写真を一枚一枚鑑賞しました。
12:49 上高地バスターミナル通過。
12:56 上高地バスターミナル着。
新島々行きのバス乗り場はちょうど列ができはじめたところでした。
予約結果に書いてある号車が1号車の場合は左、2号車の場合は右に並ぶシステムでした。座席指定は無く整理券番号も無いので、並んだ順に乗り込むことになります。
13:10 乗車開始。スマホで予約結果のメールを提示して乗り込みました。
13:20 上高地バスターミナル発。
14:35 新島々駅着。電車に乗り換えます。
予約時に決済したのは上高地から松本までの料金(2710円)ですので、改札ではスマホでメールを提示して入場しました。何だか変な感じです。
なぎさトレイン~鉄道の日ヘッドマーク付き。
14:45 新島々駅発。
14:59 新村駅着。代行バスに乗り換え。
15:31 松本駅アルプス口着。
えきねっとに接続してあずさの特急券を購入。松本から立川のチケットレス割引で2140円。
15:50 松本駅発。そのまま電車で帰宅しました。
感想
良い天気に恵まれて終始真っ青な空の下で涸沢の景色を楽しむことが出来ました。近くに居たご夫婦が「そういえば今日まだ雲を見ていない」と言っていました。言われてみれば確かに。写真を見返しても日曜日は一切雲が写っていません。先日の紅葉巡りでは曇り空に文句を言っていた私ですが、ここまで青ければ文句の付けようがありません。当然夜は星空も綺麗でした。
紅葉については、ほぼピークだったと言って良いのでしょう。ただ、何人かの人が「今年は赤が足りない」と言っていました。正直毎年耳にする言葉なのですが、言われてみれば例年の写真と比べると黄色ばかりで赤が足りないような気もします。テント場の下側のナナカマドが結構赤く色づいていたのですが、それ以外はほとんどが黄色~橙が中心でした 。今年は冷夏だからだと言っている人もいました。黄色のまま葉が落ちかけている木もあったので単純にタイミングが早いというわけでも無いのかもしれません。今年は季節が早いとも言われていましたが、それでいて10月に入ってからは今ひとつ寒くならずはっきりしない気候なのも関係しているのかもしれません。とはいえ気候と紅葉の関係は数回来たくらいではよく分かりませんね。
というわけで、四年連続で涸沢に行ってきたわけですが、来年はどうしましょうね。いい加減北穂に登りたいのですが、日程をどうするか、どこに泊まるか等迷うところも多いです。まぁ、来年また考えましょう。
“秋の徳沢・涸沢テント泊(2021年)” への1件の返信